東北部浄化センターの現状

2014年04月07日 | 日誌

 

 

昨日、当会のメンバーであり、東北部浄化センター運
営協議会委員で、城北学区自治会副会長でもある山田
善章の自宅で浄化センターや協議会の活動現状をイン
タビューを行った。なお、現状の供用率は現状(120
トン/日)÷計画(271トン/日)×100≒32%である。
昨年10月31日の運営委員会では、東近江市が下水管が
接が未接続(計画では接続)である。山田さんの話で
は、夏に彦根旧港湾の改善対策の一環とし「ワタカ」
を約3千匹放流をしたが、その生息数は減っているよ
うだ(琵琶湖への降下が主な理由)、松原周辺の沿岸
での鮎の漁獲が減った原因として放流水に含まれる残
留塩素濃度が高いのではないかとの漁連のクレームが
ったが、
水道水の基準(0.14ppm)に対し0.04ppmであ
り影響があるとは考えられないという説明だったとの
こと。湖南
中部浄化センターの最終放流水は琵琶湖で
なく瀬田川であるように理想に沿いたいが現状では難
しい※1。また、コウガイモ(水草)を新規移植する
ことで外来種の水草除去する試験を行っているが、目
的を果たせず、外来種の繁殖が続いている。これは、
最終処理放流水による水温上昇が影響しているのでは
ないかとの説明だが、外来種の水草除外回数を増やす
ように要請し善処されているが、この問題は尾を引き
そうだ。

 

また、普及率向上に伴い、増加する下水汚泥を溶融ス
ラグ
として減容化。安定化させ、建設資材等への有効
利用を図
るため、汚泥焼却溶融設備を設置し2008年4
月から稼働しているが、当初心配していた排気ガス汚
染のリスクはなくなて安心したと話す。さいごに、運
営委員を10年続けてきた経緯(輪番制でも、互選制
でもなく、なり手がなく専任のような形なっている)
などをお聞きし、これからどのようになるか分からぬ
が環境問題への取り組みは大切な課題だと信念を話さ
れた(山田さんは、来年10月に喜寿を迎え運動の節目
を迎える)。

 


 

 

 

【エピソード】 

 

運動の高齢化が進み、ひとつの区切りをつける意味
佐々木浩さんに寄稿を依頼した。早速メールが届
いた
ので掲載する。なお、本文では抜けていたが、
2002年に久保祐夫さん、また山崎誠一さんが永眠さ
れ今年は13回忌に当たる。改めて、歳月の移ろい
の早さに驚かされる。

                    合掌
 

琵琶湖の水問題。 

今から約40年前に、琵琶湖東北部流域下水道計画
大量の下水処理水の放流によって湖水および彦根
市民の飲み水を汚染させる危険があるということで、
下水処理場が建設される古沢町と下水処理水の放流
口に近い尾末町の住民が、その計画に反対する市民
運動を起こしました。その中心に立ったのは、古沢
町の田中豊一さんです。

有山大作さんに誘われて私も田中さんを代表とする「
びわ湖下水道市民の会」に参加しました。具体的に
は、琵琶湖東北部2市17町をまとめた大規模下水
処理場を、分散した小規模な下水処理計画に変更す
るために、例えば、彦根市長に公開質問状を提出、
東大の中西先生の講演会の開催、「琵琶湖東北部流
域下水道計画の問題と対案」というパンフレットの
作成、県下水道課との話し合い、彦根市議会議員補
欠選挙に田中さんが立候補し、選挙運動の中での訴
えなどを行いました。

残念ながら、田中さんは、2004年進行性の不治
の病
にかかり、2009年6月30日71歳で永眠
されました。

また、有山大作さんや私を含む多くのサラリーマン
が、
これらの市民運動に参加し継続できたのは、大
日本ス
クリーン労働組合の専従役員石井智之さんの
陰なが
らのバックアップによるところが大きいと思
います。その
石井さんは、2011年1月69歳で
突然亡くなりました。 

県は、われわれの主張を認めたとは言わないが、当
初の巨大な流域下水道計画の規模を縮小して工事を
めました。今は市民が下水道を利用しています。 

今、びわ湖に目を向ければ、一見きれいな湖水に見
えますが、湖水に入れば、藻などでヌルヌルしてい
ます。昔は、直接、湖水を飲むことができたと聞き
ますが、そこまで改善できれば最高です。せめて、
湖北の水質、特に窒素濃度が環境基準をクリアーで
きるようにしたいものです。

しかし、私は、今年70歳になり、行動がともなわず、希
望のみになります。

そこで、希望を言わせてもらえれば、福島県の原子
力発電所の大事故の後、湖水にとって重要な問題は、
福井県にある原子力発電所からの放射能汚染を防ぐ
ことです。すべての原子力発電を中止できればいい
のですが、今の政権は原子力発電の継続の方針を出
しています。そこで、発電する場合は安全審査をき
っちり行い、万一事故が発生し湖水を汚染させた場
合、飲み水をどのように確保できるのかが、避難と
ともに重要なことです。

また問題は、昔も今も、琵琶湖にそそぐ河川に捨て
られるゴミの多さです。自分の家や車の中にはゴミ
を捨てないが、河川や山にゴミを捨てています。こ
れは、自他を差別し、自分のみよければよいという
身勝手なことです。そのゴミが河川や山を汚し、そ
れが湖水を汚染させ、結果として自分が飲む水を汚
すこと、すなわち自然と我が身は一如であることを
感じない者が多々いることが、問題です。自然およ
び人との無数の縁によって生かされているにもかか
わらず、そのことに気付かず、自分のみよければ、
他はどうなってもよいという生き方が、すべての問
題の根源であると思います。

 以上 思うがままに湖水の問題を記しました。

                         2014年4月                           

                          佐々木 浩

【脚注及びリンク】
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  1. 日誌、2014.02.04 
  2. 東北部浄化センター運営協議会、2013.11.15
  3. ワタカ、Wikipedia
  4. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)1、滋賀県、2013.
  5. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)2、滋賀県、2013.
  6. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)3、滋賀県、2013.
  7. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)4、滋賀県、2013.
  8. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)5、滋賀県、2013.
  9. 琵琶湖流域下水道東北部浄化センター運営協議
    会(資料)6、滋賀県、2013.
  10. コウガイモ、大阪府立環境農林水産総合研究所
  11. 佐々木浩さん寄稿文「琵琶湖の水問題

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