ピングアルク湖

2010年12月25日 | 世界の湖沼百選






【世界一真ん丸な湖】



湖沼名 ピングアルク湖

ローカル名

 

大  陸

北アメリカ

国  名

カナダ

緯度(deg)

61.16

経度(deg)

73.39

直径(km)

3.44

最大水深(m)

267

容積(km3)

 

標高(m)

 

淡水/塩水

淡水



Image:Odale-pingualuit-Crater full high.jpg


ピングアルク湖はニュー・ケベック・
クレーター
(New Quebec Crater) で、
カナダケベック州のアンガヴァ半島
にある衝突クレーター。クレーター
の大きさから計算した衝突エネルギ
ーの量から、直径100~300 mの隕石
が15~25 km/sの速さで衝突してこ
のクレーターを作ったと推定されて
いる。また、衝突した隕石はコンド
ライト
質と推定され、40Ar-39Ar年代
決定によって、衝突年代は140±10
万年前と見積もられたという。

かつては、チャッブ・クレーター
(
Chubb Crater) と呼ばれていたピン
グアルイトとは、地元のイヌイット
の言葉で寒い気候によって引き起こ
された肌の傷のことである
。直径
3.44 km。約140万年前 (更新世) に
隕石の衝突によって形成されたと推
定され、地球上のクレーターの中で
は比較的新しいとされ、クレーター
縁は周囲のツンドラより 160 m高く
深さが 400mある。へこみは水深267
mの湖。

Image:Pingualuit at the inner lake.jpg

ピングアルク湖 (Pingualuk Lake) と
呼ばれ、北米で比較的深い湖のひと
つで、世界有数の塩分濃度が低い淡
水湖 (五大湖の塩分濃度は500 ppm
程度なのに対してこの湖は3 ppmを
下回る)。この湖には流入口や流出
口がなく、水は雨と雪でのみ増加し、
蒸発によってのみ減少する。透明度
では、日本の摩周湖に次いで第2位
といわれる。

Image:Odale-pingualuit-Chubb geology.jpg

湖底には厚さ130 mの堆積物が保存
されており、過去130万年の気候変
動情報が得られると期待されている。
間氷期まで遡る極地の気候変動を示
す陸上証拠は、シベリアのエリギギ
トギン湖 (Lake El'gygytgyn) を除い
てほかになく貴重とされる。1980年
代には5000年分に相当する約17cmの
堆積物コアが採取され、2007年5月、
ラヴァル大学のReinhard Pienitz教授ら
の調査団は、ニュー・ケベック・ク
レーター湖の深さ270 mの湖底から
8.5 mにおよぶ堆積物コアを採集し、
氷で覆われた湖の中央から孔を穿ち、
花粉、珪藻、昆虫の翅の化石を含む
堆積物コアを採取している。



【エピソード】

世界一の真円度を保持する湖という
ことでネットで下調べすると、この
「ヌナヴィクの水晶の眼」にヒット
する。この清らかな水を湛えた湖は
長いあいだ地元のイヌイットにだけ
知られていたのだが、1943年6月20
日に米国陸軍航空軍により発見され
る。住民にとっては大きなお世話な
のかも知れぬが、地球の歴史を知る
には貴重な発見となった。と同時に
隕石衝突(NEO)の巨大なエネルギ
ー禍から如何に自衛するかを考える
と背筋がぞくっとする人類の課題で
もある。







脚注及びリンク集


(1)「世界の大湖沼
(2)「世界湖沼会議」、財団法人 国際湖沼環
  境委員会
(3)「世界の湖と琵琶湖
(4)「Pingualuit Crater Lake Project