
ベルギーでレース転戦しております。
やはり本番、国のいたるところで実にハイレベルなレースが開催され、なのに資格さえあればその場でエントリーというお手軽さ。
ツールに出ていないtopプロ選手も多く参加しトレーニング的な意味合いで走っていたりするのですが、これが実にタチが悪い。ただでさえ世界一線の力を持った選手が、ゴール順位を気にすることなく持つ力を見せつけるようにアタックを繰り返すため、ペースが落ち着く気配がありません。
気軽に参加できるレースながら、ここで活躍できれば、より高いレベルにステップアップすることが明確に見えるような素晴らしい場所でもあります。
で、選手もさることながらベルギーのファンもパワフル、とても熱心に応援してくれます。
その中でも最も熱心に会場を行き来しているのは、各チームのジャージやウォーターボトル、ポストカード、キャップ、グローブと様々なものを集めるコレクターの皆様です。
日本のレース観戦者の方の中には、チームに差し入れしてくださる方もいらっしゃるのですが、ベルギーのファンはひたすらチームから何かを得ようとしているように見えます。
ボトルもサイクルキャップも基本使い捨て、一度使ったらアピールの為ファンに持って行ってもらうというのがトップチームとして普通の行為、プロスポーツとしての自転車競技が確立し、ファンと選手の距離が近いからこそできる事です。
素晴らしい。
んが!
ボトルもウェアも配るほど大量に持てるようなチームでない、しかも遠く日本から来ている我々にとっては、何一つ無駄にできる物などありません。
補給場所に選手が(再利用のため)投げて行ったボトルも、待ち構えるファンのおっちゃんとこちら、どちらが早く草むらから発見&取得するかの戦いがあるのです!

と、いうことで、日本から持ってきたウィダーのロゴ入りボトルはこちらで人気。いくら守っても一番早く無くなってしまいます。あとは現地で調達したボトル。配るほど無い我々は毎回洗って使用しています。
にしても、日本んから持ってきた選手のポストカード各70枚程を、
『全部売ってくれ!皆に配りたい!!』
という困った老紳士にはまいりました。
「他にも欲しい人がたくさんいるので5枚だけにしてください。」
と渋々伝えると、納得した紳士が自ら各選手のカードを数えながら取り分けていきます。
ん?
ちょ、ちょっと待ったオッサン!!

油断も隙もあったものではありません。数えながらカードをめくるオッサンの手元をよく見ると1カウントにつき2、3枚まとめて取って行きやがります。
冗談じゃありません。
せ、せっかく5枚ok出しってやったのに


そこからは半ば喧嘩のごとく声を荒げて過剰分のカードを取り上げますが、そんな事には全く動じずカードを数え続けやがるオッサン。
や、やるなオッサン


と、こんなことは一例で、いい歳のオジ様たちが我々の何かを常にチョロまかそうと狙っています。
ま、よく考えれば、我々のような名の知れていないチームの物も欲しがって下さるのだから有難いこと。大概のコレクターの皆様は好意的だし、謙虚です。
それにコレクション収集に必死になる大人の姿がまた可愛らしい気もするので、結局最後は憎めず終い。
次のレースで会った時も、まんまと色々なものを持っていかれてしまうのです。

侮り難しコレクターオヤジ。
と言うお話でした。
日本を離れ海外でのホテル生活中。
聞こえはとても優雅ですが、近所に長期で予約できる手ごろなホテルが無いため、毎日ホテルを探しては移動の日々。
便が悪い場所も多いのですが、それでも異国の文化に触れられる事は有意義な事です。
昨日はすっかっりホテルの予約を忘れていて、レースの帰道に急遽ネットでホテルを検索。
ありがたい事にインターネットがあれば大概の事はできる時代、私のような未熟者でも異国の地で何とか生活できています。
で、昨日予約したホテルは私が知る限り一番安い値段で泊まれるホテルでした。選手が滞在するバンガローからは少々離れているのですが土曜日という事で他も空きが無い状況。
どうせ寝るだけなので狭い部屋でも全く問題ありません。
が!着いてびっくり、ホテルは古いお城を改築した物凄く立派なホテルでした。部屋は狭いけど、環境は素晴らしい場所です。
近所で開催されていたお祭りを覗きに行くと、いたるところで流される音楽に老若男女リズムに身体を揺らしています。
映画の中に入ってしまったかのような感覚です。
大変な中にこそある素晴らしい経験、今居る場所に感謝しながら日々大切に全力で過ごして行きたいと感じました。
問題はヨーロッパにも関わらずカップラーメン食に頼る事が多い事か・・・。選手は真似してはいけない食生活です。