前半戦、最大の目標に掲げていた全日本選手権が終了しました。
結果はご存知の通り、アルゴス・シマノ所属の土井選手が見事な勝利を飾りました。
過去、才能に恵まれながら、全日本選手権では不運が付きまとい結果が出せずにいた土井選手。
しかし、今回スタートまでの時間に聞いた『勝ちますよ、任せてください。』と言う彼の言葉は、単に強がりや自分へプレッシャーではなく、自信に満ち溢れ強いオーラを纏ったものでありました。
過去の呪縛から自らを解き放つものは結果だけ、その結果を手に入れる為の「自信」を手に入れる作業は想像を絶するものであったに違いありません。
土井選手は、私が監督を務めるシマノレーシングの選手ではありません。彼にこの結果をもたらしたスタッフは世界の最前線で闘うアルゴス・シマノのメンバーであり、彼に一番勇気を与えたのは、彼の家族やそれに近い存在であったに違いありません。
私を含むシマノレーシングのメンバーがこの勝利に貢献出来た時間は、プロセスの中でほんの僅かな瞬間であったと思います。
しかし、その短い時間の中でも、近い存在の勝利から勇気と喜びをもらい、近い存在だからこそ、感じる悔しさを選手は得る事ができたのではないでしょうか。
結果まで辿り着く道程。
それは長く険しいもの。
だからこそ、そこには大きな価値が生まれるのでしょう。
『やっと勝てました。』
ゴール後、彼が発した言葉はとても穏やかな響きを含み、その奥底に私には到底見る事のできない重圧な何かを感じました。
ただただ、その瞬間を仲間として迎えられた事を光栄に感じます。
‘チームシマノ'は最高の結果を残す事が出来ました。
レースを応援して頂いたすべての皆様、素晴らしいレースを共作って頂きありがとうございました。
東北の地に勇気をもたらした土井ちゃん、おめでとう!
まさかひとりでいらっしゃるとは!