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Hidenori Nodera 野寺秀徳『輝く路の上で』

SHIMANO Racing野寺監督のブログ

全日本選手権、そしてシーズンが終わりました

2021-10-31 21:07:18 | 日記

Photo:Satoru Kato

チームが活動する2021年のレースシーズンが終了しました。

今年もコロナウイルスの影響を受け思うように活動できないことも多くありましたが、関係者のご尽力によりいったんは中止されていた全日本選手権が10月に開催されることになり、チームは全力でそこへ向けた取り組みを行いました。

チームとしての結果は到底受け入れられるようなものではない惨憺たるもの。

と考えています。

レースは事前ミーティングで6名まで絞り込んだ有力なライバル選手全員が存在する、9名のグループによるゴール勝負で決するものでした。

全日本選手権は「チームの誰かで勝つ」と多くのチームが考える他のレースとは異なる空気があります。

直近に相応の結果を残しフィジカル&メンタル的にも研ぎ澄まされたほんの一握りの選手が、'このチャンスを必ずものにする’ために「チームやその他すべてを利用し勝ちを目指す」ことをする特殊な価値観をまとうレースです。

路面や気象のコンディション、レース展開によるリスクは常に存在しながらも基本的にはその一握りの選手が終盤まで有利になるチャンスを探し続け、最低でも不利にならぬよう慎重に駒を進めてゆくことが殆ど。

今回、勝利ヘ向け具体的なイメージを持つことができているであろうライバル選手を絞り込むことは難しい事ではありませんでした。

勝利までわずかと迫った彼らの最後の攻防は息をのむものでしたが、そこに加わるまでの展開はあまりにも予想通りかつシンプルなレースであったと思っています。

その'一握り’をシーズン中に排出できなかったチームが行うことはただ一つ、彼らの作り出す流れに徹底的に乗り続け終盤へ駒を進め僅かに'見えるかもしれない隙’を探し続ける事。しかし、レースが始まってみればチームの選手は待つことの重圧から逃れるように動きを作り出そうとし、僅かなチャンスを自ら放棄していくように見えてしまいました。

「プライドにかけて攻撃する」「先手を打って流れを作る」という意識はチームの成長には不可欠です。しかし、どんな状況でも最後まであきらめないと誓った今回、プライドをかけて、批判されようが罵声を浴びようが、待ち続け食らいついてゆくこと、が必要であったと考えていました。

絶対的なエース不在のチームで、多くの選手がそこにチャレンジできる滅多にない機会でもあったとも思っています。

意識を共有しきれていなかった事は、監督である私の力不足であったと強く反省しています。

 

もちろん、結果へ繋がる最も大きな要因は力不足。

レース開催が決まってから本番へ向けたトレーニングで、選手は最大限の努力をしてきました。

しかし、数週間のデータを収集してみればチームの状態が最高に良かった過去と比べると、高強度でのトレーニング時間が圧倒的に足りていないことも判明しました。

レースを繰り返し良い状態を作り上げた過去に対して、コロナの影響でそれができなかったと理由付けることは簡単です。

しかし、自らを律し高いハードルを設け痛みや苦しみに耐えられるか否かは、ストレスデータなど無かった遠い過去から一流の選手とそうでない選手を分けてきた決定的な要素。

特別な立場にある競技者である以上、他の誰よりも高いレベルでの取り組みを目指すべきだと考えています。

 

今回の全日本はチームとして苦い経験となりました。


大切な事は苦さを経験しないことではなく、その経験を生かし未来の成功につなげる事。


今回の敗戦が素晴らしい未来に無くてはならないものだったと思えるようチームと共に成長を目指します。


今シーズンも多くの方々のご支援を頂きました。

チーム一同心より感謝しております。

ありがとうございました。

Photo:Satoru Kato


※監督といえどレースが始まってしまえば外側からの目しか持てません。好き勝手書いてごめんなさい。監督がカチカチに緊張していたのが選手に伝染していた説も否めない・・・。

 

 

 

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全日本選手権スタート前

2021-10-24 10:32:00 | 日記


チームとしては今シーズン最後のレース。

全日本選手権がスタートしようとしています。

選手はこのレース開催が決定してから、スタート向け最善と思えるトレーニングを重ねてきました。

チームの士気も高い状態でスタート30分前を過ごしています。

全選手が悔いなく戦えることを心から願っています。

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手紙

2021-09-16 23:01:07 | 日記

一枚のメモが小さな手帳の中から出てきました。

それは自然豊かな(良く言えば)伊豆の山間で暮らしていた私が、自転車競技を志し大学進学のため東京へ旅立つ日、大きな不安と共にまさに出発しようとしていた時に友人が届けてくれた手紙です。

 

おとづれた友達は幼少時代毎日のようにBMXで2人で遊び回り、競技用の自転車へ共に憧れを抱いていた近所の同級生。

 

今の道へ進むきっかけを与えてくれた存在です。

 

高校へ進み、それぞれのコミュニティができ、ほとんど会うことが無かった彼が、実家に続く坂を歩いて来た姿に驚き、嬉しかったこと今でも鮮明に覚えています。

 

そしてこの手紙を彼に託してくれたのは小学生の時から仲の良かった別の友人。学校帰りに彼の家に寄り道し、お母様が漬けた梅干しをこっそり食べさせてくれていた思い出。

 

最高に美味しく感じた記憶があります。

 

その彼は今から10年以上前、30代前半で突然の発作で他界しました。

 

東京から帰省しロードバイクでトレーニングしていた時、偶然出会ったスクーターに乗る彼と水田を貫く直線路で競争したこと。

 

就職先の大阪から帰省時は、実家近くでホタルを見に出かけた暗闇の中、私の声に気づいて一緒にいたお子様に紹介してくれたこと。(思えばこれが彼と会った最後なった)

 

これもまた鮮明な記憶となり蘇ります。

 

向こうでガンバレ! 

頑張れFight !!

 

今見るこの言葉に、涙が止まりません。

 

自分が今、本当に頑張れているかは少々疑問ですが、彼や同様に自分の心に火を灯してくれる多くの人のためにも、頑張らなくてはなりません。

 

同じように勇気をつなげられるように。

 

 

向こうでガンバレ!!

 

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勉強がんばるオヤジあらわる

2021-09-14 18:17:47 | 日記


今日は会社をお休みさせていただきましたが、朝からオンラインでの英会話レッスンを5時間受けることを決め行いました。

選手として長期海外滞在の経験もあり、チームのスタッフとして今でも国外の大会にも参加する私ですが、実は今まで会話は秘伝「7割のYES&3割のNo会話法」(←存在しません)そして秘儀「愛想笑い」でなんとかやり過ごしてきた感があります。

ま、これからもたいして変わらないかもしれませんが、少しでも改善しようという意思はあります。

ある程度年齢を重ね、レベルは低いながらも何かを学び続ける気になっているのは「勉強が嫌いで自転車ばかり乗っていた」事が運よくつながり、素晴らしい環境に身を置くことができているからだと感謝しています。

素晴らし環境、とは時間や教材、機材が揃っているという事ではありません。

困難な状況、自分より能力の高い隣人、守る義務や重圧を受ける何か。

等が周囲にあることと考えています。

考え方次第ではネガティブな要素ですが、私のように気が小さく、困難から逃れたいと思い続けていた人間にとっても、それらが自分を成長させてくれる大切な要素ということを自分にとってはハードルが高いと感じている活動を通じて知ることができました。

所属する集団の中で相対的に自分の能力が低いことは決して悪い事ではありません。

彼らが自分を引き上げるきっかけを作ってくれるような存在であれば、勇気を持ちその中に飛び込むことは最良の選択なのだと思います。

私は、それを「安請け合い」というある意味無責任な方法で実現してきました‼

はたしてそれが誇れることなのか?ですが、結果は良かったと思っています…。


とにかく今はキャパシティーを超えた脳稼働によりオーバーヒートした頭の上から煙が出ています。

壊れない程度にこれからも頑張ります。

フィリピン人講師の皆様が優しいことが私にとっては救いです(*'▽')Thank you.

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大自然に挑む私のイメージ

2021-09-09 19:04:00 | 日記
 
先日、結構な範囲に生い茂る草を刈る機会がありました。
 
ロケーションの問題で草刈り機が使えず、主に鎌を使った作業で重労働ではありましたが身体を使って自然に挑むこんな作業は得意分野。
 
密集する草、蔓、笹などをバッサバッサと切り倒してゆきます。
 
水分を含んだ大量の雑草に身体は痛みを感じるほど疲労。
 
しかしここは見せ所一家の大黒柱としてひるむわけにはいきません。
 
麦茶を豪快にがぶ飲みしながら数時間動き続け、一緒に居た家族からも「まるで本職」と評価されるほどの動きで手ごわい自然とと格闘し続けました。
 
いよいよ大詰め。
 
最後はコンクリートの隙間を押し広げ放射線状に広がるマグワの木をノコギリで一気に切り進めてゆきます。
 
根元から何本にも伸びる木を取り除き、いよいよ頑強な根元付近に到達しようと短くなった数本の幹に手を伸ばしたその時です。
 
手元で何かが動いたのです。
 
うねうねっ、と
 
地球上にいる生物とはの思えぬ大きく水気を帯びた塊。

驚きで声をあげ飛び上がるわたくし。
 
 
 
 




が、よく見ると大きなガマガエル(←各地で呼び方が変わるらしいです)が必死に幹の間に身を隠そうと動いていただけでした。
 
なーんだ。
 
と、ホッとしそのガマを手に乗せる私。



 
が個人的な損失はすでに起きていました。
 
一連の事象を見ていた奥様がなにやら笑っています。
 
聞けば、その瞬間。・・・私が驚いた時です。
 
声と動きが、完全にオトメ。
 
女性的な声と動作で飛び上がっていたとの事。
 
 
きゃっ!!


数時間かけて築き上げた大きくたくましい大黒柱のイメージは最後の一瞬でもろくも崩れ落ち、異なるイメージに支配されました。
 
そう。
 
オトメに。





第一印象も大切ですが。
 
最後の印象はもっと大切ですよね。


今回のは。。。それはそれで良かったかもしれないかもしれないかもしれない。
 
 
コメント (2)
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