靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

左手小指

2010-06-20 23:55:34 | 出来事や雑感や (子育て)
夕方、トマトを切っていて、指まで切ってしまった。家では処置がちょっと無理だと近くの週末でも24時間オープンの病院へ。夫に入り口で降ろしてもらう。指の付け根を押さえて上方へ掲げるようにしておく、とどこかで聞いた止血方法をしながら、保険についてなどのペーパーワーク。20分程待合室。

怪我をして病院なんて、何年ぶりだろう。指は痛いというよりしびれるという感覚だ。指をつめるとこういう感じなのだろうな。指ひとつでこんなドキドキして、世の中には大変な怪我や病気の人々がいっぱいいるのだよな。こういうところのドクターやナース毎日緊急で駆け込んでくる色々な患者をみてるのだな。最近、早朝コンピューターの前に座る以外寝るまで座ったことが何回あっただろう、というような怒涛の毎日だったな。身体は忙しくても内はもう少し落ち着かなきゃな。そうだ走りながら瞑想するようなイメージだ。などと掲げ続けてだるくなってきた腕を頭に置きながら考えたりする。

結局医療用接着剤でまた元のように指を戻してもらった。95パーセントをくっつけて5パーセントは開いておき、血によってくっつかせる、のだそうだ。「人間でも指先はまた生えてくるんだよ、爬虫類のようにね、はっはっは。トマトを切っていたって君、最後は血かトマトか見分けつかない状態だったでしょ、はっはっは。」と明るいドクターと明るい病室で明るく笑いながらとれかけた指を戻す。何だかちょっとシュールな一時だった。(笑)

1時間ほどして家に戻ると、入り口に張り紙。
「早くよくなってね。」

中に入ると、パンパ~ンとクラッカー(父の日の祝いのために買っておいたもの)。見舞いのカードを渡される。笑ってしまった。「ママ大丈夫よ」と言うと、子供達皆ホッとした様子。

病気をしたり怪我をする度、普通に暮らせたということがなんてありがたかったのだろうと思う。指がひとつ使えない、ということの不便さ。幸い左手小指という一番使わない指ではあったけれど。

寝る前、こんな怪我ですんだことに感謝し、もう少し注意深く労わります、と自分の身体に謝った。

さて今日からまた怒涛の日々。心穏やかに落ち着いて過ごすよう心がけよう。

皆様の一週間も心穏やかなものでありますように。