利用者さんの人間らしい生活とヘルパーさんの仕事を奪うことは許せません!

2012年10月24日 18時31分06秒 | 日記

介護保険法「改正」と「介護報酬改定」のもとで現場で何が起こっているか…
 訪問介護・生活援助の時間短縮の撤回を!

訪問介護の生活援助(家事援助)時間区分が60分から45分に短縮されて
 今年4月からの「介護報酬改定」で、訪問介護(ヘルパー派遣)の生活援助が、基本時間が60分から45分に変更=短縮されたため、現場でさまざまな問題が発生しています。
 

「43%の人が60分から45分へ」
 愛知県の社会保障推進団体の調査では43%の人が60分から45分に、38%の人が90分から60分へ生活援助(家事援助サービス)が時間短縮されています。
  

「調理する時間がなくて コンビニ弁当になった」
 全国では「ヘルパーが調理する時間がなくて食事はコンビニ弁当に代わった」「風呂の掃除を週1回に減らした」「調理の下ごしらえを自分でするようにしたが、右肩の痛みが悪化した」「時間不足で洗濯ができなくなった」「余裕がなくなり希望の店で希望の品を買うことができなくなった」「時間が足りず副食を三品から二品に減らした」「(おかずを作るのをやめて)スーパーで購入するようにした」「配食サービスに切り替えた」などの状況が生まれています。
 

 自立支援そのものに逆行
 「今までヘルパーさんと一緒に買い物や調理をしていたが、時間が短くなりヘルパーさんに任せるようになった」という方も生まれ、厚生労働省は「自立支援」を強調しますが、自立支援となる買い物や調理行動ができなくなり、自立支援に逆行する状況も明らかになっています。
 

「忙しそうで声をかけられない」
 利用者は、「ヘルパーが忙しそうにしているので声をかけられない」「ヘルパーは振り向く余裕がない」という声とともに、「利用者と話ができないため、状態の変化を見逃してしまわないか不安」という悩みがヘルパーさんから寄せられています。
 

「身の回りのことができなくなった」
  日常生活を支える生活援助の内容が大きく変容する中で「身の回りのことができなくなった」「本人の身体的負担やストレスが増した」「病状や状態が悪化した」「家族の介護負担・精神的負担が増えた」という例も生まれており重大です。
 

「時計を見ながら」「サービス残業も」
 都内のヘルパーさんは「時間短縮で時計を見ながらの援助になった」「(時間内に終わらないので)サービス残業も出ている」「必要な時間だけサービスを提供して利用者さんに喜ばれたいがその余裕はない」「賃金は月一万円近く下がっている」と述べています。
 

ヘルパーの賃金も低下
 ヘルパーさんの賃金が下がったのは偶然ではなく、国が決めた介護報酬が45分までの派遣で17・0%低下、45分以上の派遣で19・2%低下しましたので、必然的に下がるのです。
 45分以上のサービスを利用者が受けたければ利用料が上がります。また45分以上いくら派遣しても介護報酬は同じですから、60分くらいに抑えておかないと事業者の経営が成り立たなくなります。
 

「単なる時間区分の変更」「影響はない」というが…
 国や行政は「ヘルパー派遣時間の短縮ではなく短なる時間区分の変更だ」「影響はない」と言いますが、現場では影響が出ています。「影響がない」という場合もともと長時間の援助を必要としていなかったケースで、サービスのミスマッチが是正された場合が考えられますがあっても少数です。
 45分以上に切り替えて、利用料はアップしたが利用を継続している場合や、45分のまま、サービス残業でカバーしている例も有ります。
 また、問題があるにもかかわらずそれが表明化していない(これはかなり多いと考えられます)例があると思われます。
 時間短縮はただちに撤回し、元に戻して最悪の事態からの脱却を図るべきです。 

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