虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

さらば、ベルリン(2006/アメリカ)

2008年03月10日 | 映画感想さ行
THE GOOD GERMAN
監督: スティーヴン・ソダーバーグ
出演: ジョージ・クルーニー    ジェイク・ゲイスメール
   ケイト・ブランシェット    レーナ・ブラント
   トビー・マグワイア    タリー
   ボー・ブリッジス    ミュラー大佐

 1945年、ベルリン。ポツダム会談の取材のため、ベルリンにやって来たアメリカ人ジャーナリスト、ジェイク・ゲイスメールは、戦前ベルリン駐在期間があり、その時、人妻のレーナと不倫関係にあった。2人は再会を果たすが、レーナは、ジェイクの運転手の米軍兵士、タリーの情人となっていた。そしてタリーがソ連領で死体で発見された。

 この映画を見ていて前半で感じるなんか紙芝居みたいな感じが、なんだかしっくりきません。とは言っても最近、あまり自分の感覚に自信が持てなくなっていますが、「カサブランカ」へのオマージュ映画だそうですが、ほかのいろんな戦争恋愛映画のパロディを見ているようでもあります。
 とはいえ、嫌いではないのです。
  
 このところ、たまたま夏目漱石の「私の個人主義」を読んでいまして、その中の「国家の道徳より、個人の道徳の規準のほうがずっと重い」という一節もありまして、まあ、こういうところかな…とも思います。その点を言うなら、パロディであっても、元の作品にないものがあります。 
 蛇足な点ながら、ケイト・ブランシェットは白黒だともっときれいかなと思いましたのに。
 トビー・マグワイアのつるんとした感じは無法地帯となった戦後のベルリンで物資横流しに手を染める、若くて馬鹿な兵隊が思いのほか似合ってました。