虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ミーン・マシーン(2001/アメリカ、イギリス)

2009年09月08日 | 映画感想ま行
MEAN MACHINE
監督: バリー・スコルニック
出演: ヴィニー・ジョーンズ
   ジェイソン・ステイサム
   デヴィッド・ヘミングス
   ラルフ・ブラウン
   ヴァス・ブラックウッド

 ロバート・アルドリッチ監督「ロンゲスト・ヤード」のリメイク。スタッフ、キャストにガイ・リッチー組が集結。
 ダニー・“ミーン・マシーン”はサッカーのスター選手だったが、八百長試合を告発され、転落の道をたどる、ついに飲酒運転と警官への暴行で3年の刑を受け刑務所へ。その刑務所は、所長が看守サッカーチームを強化させるためにダニーにコーチになるように迫る。しかし、当の選手である看守たちは拒否。ダニーが提案したのは、看守チーム対囚人チームの練習マッチだった。

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 タイトルが「ミーン・マシーン」で転落した元スター選手が刑務所へ…ですから、解説読んだら見ずにはいられません。どれだけアルドリッチもえなんだと我ながら思いますが、抵抗できません。もちろん、アルドリッチ映画は「萌え」でなくて「燃え」です。

 結論から申しますと、オリジナルほどの爽快感や充足感はありませんでしたが悪くはないです。
 アメフトでなくサッカーになっていたためか、肉体の激しいぶつかり合いがあっても様子が違うし、映画全体の雰囲気がちょっとシニカルさが勝ってるように感じられます。
 それにこの主人公が、他の作品のバート・レイノルズやアダム・サンドラーに比べて決定的に違うのは「かわいげ」「愛嬌」が少ないところです。
 その辺がイギリス風味なんでしょうか?
 でも主要なキャラの性格設定がほとんど踏襲されていて、ラストの泣かせどころもちゃんと効かせてくれているので、やっぱり嬉しい。「隠し砦の三悪人」リメイクで腰が抜けてしまった私としましては、ああ、やっぱり重量感のある役者でのリメイクでよかったな…としみじみ思った次第です。

 しかし、国民的スポーツでファンを裏切り、囚人仲間から憎しみを買っている主人公が徐々に受け入れられていく描写はかなり殺気立っていて、やはり男はまず基礎体力と腕っ節かねえ、と思います。看守長さん、ほかの作品のより目立ってないみたいで、ちょっと残念。
 この映画の爺さんも素敵。イギリスは渋くてかわいい爺さんの本場ですね。