虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ネットブック始末記

2009年05月28日 | 日記・雑記
 ネットブックは結局半月ほどでさようならしました。
 やはり画面の小ささと使うときの姿勢が肩こりの種で、できればHPの作業もしようと思っていたのですがそういうのは、私のような遠視性乱視で最近近眼も…というような人間がネットブックでやることではありませんです。
 で、療養中でしたので、寝ながらDVDでも見るか、と思ってネットブック本体よりでかいDVDをつないではっと気がついたんだけれど、それって全然ネットブックの使い方を間違ってますね。それはポータブルDVDプレイヤーの役割ですね。
 なわけで、ネットブックは仙台へ行きました。

 

ラスト、コーション(2007/中国、アメリカ)

2009年05月28日 | 映画感想ら行
LUST, CAUTION
色・戒
監督: アン・リー
出演: トニー・レオン イー
   タン・ウェイ   ワン・チアチー

 1942年、日本軍占領下の上海。女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、日本に協力する裏切り者を暗殺すると言う彼と学生仲間と行動を共にする。チアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づく。一度は失敗し、別れ別れになる仲間たちだったが、3年後、チアチーはクアンと再会し…

 トニー・レオンの映画は、なんとなく別格です。
 新人のタン・ウェイもかわいくてレトロな化粧も似合ってるし、いかにも蹂躙されてる風なセックスシーンが痛々しくてぴったりなんですけど、どうしても目がいきます。トニー・レオンに。
「あ、そんなに身体さらしちゃって…」
なんて思うのは、痛々しい若い女性ではなく、トニー。
 延々続く(ように感じる)ラブシーンはとても官能的でも、私の意識を醒めさせてしまう冷え冷えを抱えています。
 自分を暗殺寸前のところで逃がした彼女をあっさり殺してしまう酷薄な男なのに、トニー・レオンはどうしても汚らしい男には見えない。彼の不思議な清潔さにこちらが翻弄されるようで、思わず彼女を失くした彼の思い、とか感じてしまいそうで、あわてる。
 だからこそ、彼女の「逃げて」を納得してしまう。
 私はトニー・レオンには冷静になれない磁力を感じてしまうので、他の人の見方はまた別でしょうが、やっぱりこの映画を支配しているのはレオンの放つ透明なのに妖しいオーラだと思います。

 それにしてもチアチーの一生は女の人生としては踏んだり蹴ったりで、それについて一番怒りを感じるのはクアンである。お前が一番情けなくてどうしようもない男だ!と歯噛みする。

 NHK BSの番組でこのチアチーのモデルになった女性のドキュメンタリーを見たけれど、印象だいぶ違いました。そちらの彼女のほうが意志的に生きる女性で、見ていてちょっと救われました。