虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

隔離生活・FF8しました

2008年01月17日 | 日記・雑記
 正月、みんなが揃っているところで夜吐いてるのを目撃されたり、乗り物酔いがひどかったり、しまいには久しぶりに行った映画館で映画に酔って吐いたりしちゃいました。おかげで周囲が心配、というか怒ってしまい、「しばらく映画とか、インターネットとか、ゲームとかそういうものと離れて生活せい」というわけで長野県の松原湖近くで隔離生活をしていました。
 診断は十二指腸潰瘍。以前にもかかったことがあるけど、あの時はこんなに吐いたりしませんでした。

 場所が違うと生活が違って、なかなか大変な二週間でした。
 普段京浜東北線の駅から三分に在住の私は基本的に電車が移動手段です。滅多に運転なんかしないから恐ろしく運転下手です。それなのに、長野では最寄駅まで歩いて二時間ちょっと。バスは一時間に一本だし、それも昼間だけ。車に乗せてくれる人がいないと、どこへ行くにもすごい苦労。ある時よんどころなく病院までタクシー使ったら3,800円。診察代より高い! ま、慣れてしまえばそれに合わせた暮らし方があるのでしょうけれど。
 映画とネットなしでも禁断症状が出たりしなかったけれど、やっぱり恋しくはなりました。ああ、30分しか見られなかった映画惜しかったなあ。画面が揺れたり迫ってきたりする酔うような映画じゃなくて、アダム・サンドラーとドン・チードルの「再会の街で」というしみじみもの。何で酔っちゃったんでしょうねえ。


 でやっぱりゲームはしました。たまたまあったので「ファイナル・ファンタジー8」 楽譜とサントラCDは持っていてもゲーム自体をやったことがない、というものでした。やっぱ、音楽は素敵~。
 最近のゲームと映像比べるのはご法度だし、レベル上げて武器をパワーアップでクリアといういつものFFでしたが…なんか、ストーリー展開がね~
 ??????だったのです。
 発売当初にプレイしていたら感想は違っていたのかもしれないけど、主人公のスコールとヒロインのリノアが強烈ラブラブになるのがなんだか唐突で腑に落ちない。
 PS2の「キングダム・ハーツ」ではローティーンにけちょんけちょんにのされるけど、そっちのスコール=レオンのほうがちょっとクールかも。

パフューム ある人殺しの物語(2006/ドイツ、フランス、スペイン)

2008年01月17日 | 映画感想は行
PERFUME: THE STORY OF A MURDERER
監督: トム・ティクヴァ
出演: ベン・ウィショー   ジャン=バティスト・グルヌイユ
   ダスティン・ホフマン    ジュゼッペ・バルディーニ
   アラン・リックマン    リシ
   レイチェル・ハード=ウッド    ローラ

 18世紀のパリ。魚市場の悪臭の中で一人の赤ん坊が産み落とされる。死ぬはずだった所を救われた赤ん坊は、グルヌイユと名付けられて育児所で孤独に育つ。特別な嗅覚の持ち主だった彼はある時運命の香りを持つ少女と出会い、その香りが彼の運命を動かしていく。

 面白い映画でした。
 はじめは処刑直前シーンだし、誕生シーンは「ああ、映画がにおいが出る程進歩してなくて本当によかった」と心底思う映像でありましたし、深刻な映画かと思いました。ところが、見ていくにつれて深刻は忘れてドキドキしながら見入っていました。

 ひどかったり、えぐかったりする話の連続なんだけど、首やら手やらが簡単に飛ぶ残酷描写つき童話とか、おとぎ話を聞く様な感覚を覚える。ところどころ笑わずにはいられない、というか、大真面目に壮大ほら話を聞かされるようにも感じられる。
 嗅覚のお話なので、主人公の鼻がよくアップになる。美しいと言うより、形が整ったと表現したくなる鼻に見える。主人公の整った、しかし特徴としての過剰も欠損もない風貌と、猥雑で薄汚くて過剰だらけの周囲の対比など、本当に完璧に世界が出来上がってる感じ。
 宿命の渦に引きずりこまれていくような展開のテンポの良さがめちゃくちゃ快感だった。そして彼が去る時、儀式のように彼に対する「用」を済ませた人間が死んでいく… そして最後は…
 私は過剰と欠損の寓話として見るのが一番落ち着いたのですが。