(奥付には2019年6月19日とある。刊行後まもない「花火・来訪者」岩波文庫)
よく知られた「墨東綺譚」について、作家吉行淳之介が興味深い記事を書いている。
《「墨東綺譚」は名作であり、荷風の作中随一の秀作である。私はこの作品を読んで、荷風を風景の詩人とおもった。女をも、荷風は風景を眺めるように眺める。女を人間として扱うことによって、男と女とのあいだに解決することのできない溝ができ、互 . . . 本文を読む
(あるレストランのガーデン。“&”の記号が何だか物思わせぶりじゃな♪)
こういう記事をこれまで何度も書いてUPしてきたので、どうしてもくり返しばかりになってしまう(^^;)
まあ、わたしの日常生活がくり返すこと、そういった習慣を前提になりたっているのだから、やむをえないことなのだ。歯を磨いたりシャワーを浴びたり、ご飯を食べたり水割りを飲んだり、掃除をしたり草退治をしたり・・・ね。
フィ . . . 本文を読む
荷風にハマって、このところいままで読もうとしなかった小品を書庫から取り出し、丁寧に読みはじめた。
ここに引用するのは「葡萄棚」と題された小品(あるいは随筆)。
《今わが胸に浮出る葡萄棚の思出はかの浅間しき浅草にぞありける。
二十の頃なりけり。
どんよりと曇りて風なく、雨にもならぬ秋の一日、浅草伝法院の裏手なる土塀に添える小路を通り過ぎんとして忽ちとある銘酒屋の小娘に袂(そで)引かれつ。大きなる潰 . . . 本文を読む
(「墨東綺譚」に添えられた木村荘八の高名な挿絵。現在岩波文庫版に収録されている)
永井荷風の文学が、過ぎ去った時代の記憶の貯蔵庫であることは、以前からぼんやりと意識していた。アーカイブズということばがあるが、これは本来公文書館、公文書の保存所という意味である。彼が遺したものは公文書ではなく、私文書と写真。
極めてパーソナルなものであり、視線であった。彼を愛する者は、そこに価値を認める。
だ . . . 本文を読む
古本で川本三郎「荷風語録」(岩波現代文庫)を手に入れ、パラパラと読んでいるうち、またしても荷風熱にとりつかれた。
荷風が「断腸亭日乗」の筆をおろしたのは1917年、2017年が100年目にあたる。
この写真は雑誌「東京人」の“愛すべき散歩者永井荷風”特集号。
彼は時空の探索者であり、偉大な記録者であった。
難読漢字が多く、腰を据えて読もうとすると難渋し、注釈がないとすぐにつっかえてしまう(^^ . . . 本文を読む
たまたま午近くに「Kona’s Coffee」の近くを通りかかったので立ち寄ってみたが、順番待ちの客で満杯、店内へ入るのはあきらめた。
Architectureがとても洗練され、外構・造園まで見事にデザイン化されている(@_@)
さっき調べたらコナズ珈琲はランチカフェとしていま注目を浴びているらしい。
ファサードで燃えているのは本物の火。
丸亀製麺と同じトリドールが経営母体なのか。ほかにもいろ . . . 本文を読む
たまには日記らしい記事を書いておこう♪
火曜日は両親がデイサービスへいく日なので、糸から放たれた凧の気分(笑)。
で、一週間ぶりに会社へ出かけ、後片づけをやった。
段ボールを4個用意してあるが、もしかしたらもう1個必要になりそうだな。
何年分に相当するのか・・・2/3はゴミ(^^;)
ランチは同僚と回転寿司屋へ。
このフォトは信号待ちですれ違ったラッピングトラック、走る広告塔。
へえ、こん . . . 本文を読む
(新潮文庫版には、20編の短編が収録されている)
いまさらわたしなどが遅ればせながら指摘するのも大人げないようではあるが、短編作家としての梶井基次郎は天才である。
ふとしたきっかけがあって、先日、新潮文庫で「檸檬」を読み返すという経験をしたのだ。
そうして、やっぱり絶句せざるをえなかった。
ほぼ完璧(=_=)
小説というより、散文詩あるいは小品というジャンルに属するものだろうが、これほ . . . 本文を読む