二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「名曲名盤300」 ~クラッシック音楽の愉しみ

2020年01月18日 | 音楽(クラシック関連)

  (ミーハーなので、この手の情報誌は必須)


音楽之友社から、名曲名盤300という本が刊行されている。ONTOMO MOOKの一冊で、おそらく毎年刊行されているのだろう。
1990年ころに上梓された旧版を持っていたが、行方不明、・・・というか、デカイ衣裳ケースのようなプラケースにしまいこむと、しまい込んだ書籍は容易には“発掘”できない。
・・・で、BOOK OFFで見かけた1999年版を先日買ってきた。

わかってはいるのだが、そこで選ばれている作曲家の顔ぶれを、あらためてチェックしてみよう♪

<上位9人>
■モーツァルト 40
■ベートーヴェン 39
■バッハ 15
■シューベルト 15
■シューマン 13
■ブラームス 13
■ショパン 10
■チャイコフスキー 9
■マーラー 9

このあとに、わたしの好きなメンデルスゾーン、ブルックナー、シベリウス、ドボルザークetc.とつづいている。
ただし数えようにもよるので、バッハなどはこのほか50曲に近い“名曲”が存在するだろう。
上位に顔をそろえるメンバーは固定している。モーツァルト、ベートーヴェンが二大巨星。いまさらいうまでもないけれど、このツートップの座を脅かすような作曲家は、今後も現われなる可能性はない、いや、限りなくゼロに近い。

クラッシック音楽界のプロの皆さんは、この9人に養ってもらっているわけだ。足を向けて寝られないだろう|*。Д`|┛タハハ

クラシック音楽熱が再発したのは、久しぶりである。元来が“凝り性”なので、ほどほどに・・・というのが苦手。半分ムキになってひたり込む。
とはいえ、本物のクラシックファンというにはほど遠いし、オーディオもSonyの安物(=_=)
バカでかいステレオ+スピーカー+イコライザーも持っているけど、老朽化が激しく、スイッチONにする気にはならない。



また、室内楽をまとめて聴き込み、自分の耳を訓練しようと思っている。だけど、ままならないのが現状。モーツァルトはやさしく包んでくれるが、頂点に君臨するベートーヴェンとなると、心底感動を味わったことがない。
ラズモフスキーセットは、少しわかりかけ♪
しかし、後期のものは渋すぎて、わたしの手にはおえない。まあ、ハイキングと登山の差といえるのかな(ノ_-)。大したことはないのだ。
いま足腰を鍛えている(つもり)なのだが、どーなることか?



詩でも書いたように、室内楽一番のお気に入りは、
■弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421。

写真には3枚のCDが写っている。愛聴盤は、
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団(QUARTET)の一枚。
1952年の演奏なのでモノラルだし、音源はやや分離が悪いが、「これぞモーツァルト」といえるすばらしい境地へ聴く者を誘ってくれる。
通俗的な表現になるが「慰めと癒し」、ヒーリング効果も満点!

心の疵(そういうものがあったとして)が癒えていくのを実感する。「これぞモーツァルト」の音楽の極み、いまのわたしにとって。
第1ヴァイオリン アントン・カンパー
第2ヴァイオリン カール・マリア・ティッツェ
ヴィオラ エーリッヒ・ヴァイス
チェロ フランツ・クヴァルダ

レーベルはかのウエストミンスター(^^)/
1952年といえば、わたしが生まれた年。それがCDで蘇ったのだ。19番K.465(不協和音)とのカップリングである。
好きになれない演奏はスメタナ四重奏団、1972年盤。史上初のデジタル録音だという。高音部、低音部の分離はよく、立体感はあるけれど、えぐりが浅く、「そこ違うんじゃないの?」といいたくなる箇所が2-3カ所ある。


   (こちらはピアノ協奏曲22番が聴きたくて仕入れたが、カーゾンの27番もすばらしい)

以前は吉田秀和さんに主として頼って聴き込んできた。今年は中野雄(なかのたけし)さんの本のお世話になっている。









東大法学部のご出身で、丸山真男さんの教え子だが、これまで読んだ本4冊ともハズレなし。丸山さん直伝の社会的視野の広さ、個人的な演奏家たち(そのほとんどはウィーン・フィルの主力メンバー)とのエピソードにすごいリアリティがある。
「ストラディヴァリとグァルネリ」(文春新書)など、この人でなければ書けなかったろう。
「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」「モーツァルト 天才の秘密」もよかった。書評は書かないけど、どれも文句なし五つ星(^^♪

これまでモーツァルトに関する本、4-5冊は読んできたはず。しかし「モーツァルト 天才の秘密」でようやくすっきり謎が解けた。
モーツァルトは時代の先を歩いていたのだ。中野さんは15年早すぎたというが、わたしにいわせれば、30年は早かった。晩年のあの輝かしい、深い悲しみをたたえたモーツァルトの音楽に、聴衆はついてこられなかった。
運命を賭した演奏会のチケットが、たった1枚しか売れなかったとは(=_=)

貴族社会の最後の光芒が、モーツァルトの音楽に照り映えている、息をのむような、美しい夕照。
近代市民社会はベートーヴェンの出現とともにはじまる。そういう社会的背景が頭に入っていないとわからない曲が、いくつも存在する。
モーツァルトが真の天才だと発見されるのは、ほぼ20世紀になってから。
「名曲名盤300」のトップランナーはモーツァルト。所有CDは70枚近くあるかもしれないが、欲しいCDがまだまだある。

参考図書を物色しながら、一歩、一歩クラシック音楽の大森林の中へ入っていく。それは時代を遡る、歴史の旅でもある。



現在は中野雄さんの「指揮者の役割 ヨーロッパ三大オーケストラ物語」(新潮選書)を読んでいる。
このほの暗い森の奥に、わたしが探している宝石が眠っているのだ。そこまで歩いていって、自分で探さねばならないもの。極上の料理だし、料理人の腕が試される怖い世界でもある。
その意味で、写真も音楽も「見る人」「聴く人」をインスパイアしてやまない世界の風景のパースペクティヴ♪

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