二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

わたしは影、わたしは木(セルフ・ポートレイト)

2010年12月09日 | Blog & Photo
昨日は歴史の町、足利を散策してきた。
散策といっても、かなりの早足。
初冬の気配が濃厚で、風が冷たかった。
2時から撮影スタート。そして4時までの2時間は、どこか「過去との対話」のようでもあった。



この日最大の収穫は、わたし的にはこの一枚。
意図しても撮れないような、おもしろいセルフポートレイトが撮れ、「わぉ!」と舞いあががってしまった(笑)。
森山大道さんや、エリオット・アーウィットは、セルフポーレイトの秀作をのこしている。
だけど、これまでで、いちばん衝撃的だったのは、なんといっても、リー・フリードランダーのそれだろう。

ナルシシズムだと考える人もいるだろうが、わたしは「自己確認」の手段としての写真だと考えるほうを好む。
人間とは・・・いや、人間の意識とは、なにものか影であり、木の精であり、他人が見る夢の登場人物なのである。抽象的なことばでいえば、関係性のことである。それを抜きにして「私」など存在しようがないのだ。
むろんそんなものは写真には写らないから、身体の断片を撮る、ということになっていく。



わたしの頭から、こんな風に木が生えてきたらどうだろう?
多義性のあるイメージを、多義性があるがまますくいとるのはおもしろい。
見るたびに、いろいろなことをインスパイアしてくれるから。
コード化された意味を解体してしまえば、この世は「へんなもの」だらけの、まことに興味尽きない「モノ」たちの世界。それは、もういっぺん組み立ててみないと、どんな絵柄が浮かびあがるかわからないジグソー・パズルに似ている。



実像と虚像の境界をゆさぶってみると・・・。
日常性という名の、奇妙なワンダー・ランド。
いまのわたしは、こちらの「夢の国」のほうが、ディズニーランドより、100倍おもしろい。

来年のことはわからないけれどね、もちろん(笑)。
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