二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

銀塩フィルムカメラへの愛

2013年07月19日 | Blog & Photo
つぶやきでも書いたことだけれど、ハッセルブラッドVシステムの生産が終了となったそうである。多くのプロカメラマンにとって、最高の仕事道具であったハッセルブラッドが生産を打ち切るとは、なにを意味しているのだろうと、少し頭を冷やしながら考えてみた。

フィルム会社のリーダーとして君臨したコダックの倒産と、ハッセルブラッドVシステムの撤退は、大げさにいうと、フィルム写真文化の消滅が、いよいよこの数年のあいだに迫っていることを予感させる。

銀塩フィルムカメラへの愛を復活させたいま、そんなことは想像したくはない。
しかし“その日”は、ここ数年のあいだに、確実にやってくるだろう。いくら大企業でも、所詮は民間企業、赤字部門を、何十年も維持できるはずがない。
しかし、銀塩フィルムカメラはほんとうにいまや、二十世紀の遺物にしかすぎないのだろうか?
フィルムがなくなったら、銀塩フィルムカメラはどうなるのだろう?
単なるオモチャになってしまうか、使い道のない古道具となる。
つまり、フィルムあってのフィルムカメラ・・・なのである。

このあいだ赤城耕一さんの「銀塩カメラ辞典」を買ってきて読みおえたが、“大いなる時代”は去ったという思いに胸をちょっとふさがれた。
この数年内に、ブローニーフィルムが消え、ポジフィルムが消える。
そしてそのあと、35mmモノクロ、カラーが、どのくらいもつのだろう?

「フィルムなんかなくても、写真は撮れる」
たしかにその通り。結果だけで評価するのであれば・・・。
しかし、悲観的なことばかりいって嘆いても仕方ないので、わたしは当面はフィルム&スキャンという現在のスタイルで、いけるところまでいこうと覚悟を決めている。
「普段はデジタル、そしてときどきフィルム」
これはいま望みうるもっとも正しいカメラスタイルであると確信している(笑)。
銀塩フィルムカメラとの、最後の愛の日々。
アハハハ、センチメンタルなB級映画のタイトルだな、こりゃ。

ところで「銀塩カメラ辞典」に「サブカメラ症候群」ということばが出てきたのには、苦笑せざるをえなかった。
わたし自身が、その「症候群」に取り憑かれているひとりだから(^^;)

A.ローライフレックス3.5F
B.ヤシカマット124G

A.ニコンF3
B.ニコンFM2

A.オリンパスペンE-P3
B.フジフィルムX20

A.ニコンD7000
B.ニコンD80


考えてみると、わたしの所有するカメラは、こういう図式で構成されている。
Aがメイン、Bがサブという位置づけなのであ~る(^^)/
カメラはいつかは毀れる。そのとき、どうしよう?
わたしの心の深いところに、そういう不安が居座っている。だから、AとBをペアでもっていないと落ち着かないのである。

そんなことをいろいろ考えていると、つぎに手にすべきカメラが、なかなか決まらない。
「フィルムのさきが見えてきたいま、ライカのような工芸品に手を出さず、最新のデジカメを買うのが賢明じゃないかな」
夜になると、功利主義の悪魔がやってきて、わたしの銀塩フィルムカメラへの愛に水をさす。



<冒頭の一枚>
機材:ローライ3.5F フィルム:フジPRO400
スキャナ:キヤノン9000F M2(解像度600dpiからリサイズ&レタッチ)
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