二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

“ブリコラージュ”と本日のメニュー

2011年07月18日 | Blog & Photo
「本日のメニュー」と題してテーブル・フォトを何枚か撮影したので、それをアップしてみよう。フォトジェニックなものではなく、記録のための写真。
だけど、なぜこんなものを撮ろうと思ったのか、カンタンに「前置き」を書いておく。

それはわたしが、わたしにとって、新しい概念(考え方)、“ブリコラージュ”を知るにいたって、ここ一ヶ月あまり、この概念をめぐってあれこれとこだわり続けてきたからである。
ブリコラージュについてはここを参照するのがいいだろう。
◆ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5

絵画の手法としてコラージュというのは、中学生のころから知ってはいたが、うかつなことに、ブリコラージュについては最近まで知らなかった。
「へええ、これはおもしろいぞ」
この概念がアミーバみたいに触手をのばし、多方面へと浸透し、わたしの意識が更新されるのを感じないわけにはいかない。
レヴィ=ストロースの「野生の思考」の日本語訳はもっている。しかし、まだ読んではいないので、ここではほんのちょっとだけふれるにとどめる。

《フランスの文化人類学者・クロード・レヴィ=ストロースは、著書 『野生の思考』(1962年)などで、世界各地に見られる、端切れや余り物を使って、その本来の用途とは関係なく、当面の必要性に役立つ道具を作ることを紹介し、「ブリコラージュ」と呼んだ。彼は人類が古くから持っていた知のあり方、「野生の思考」をブリコラージュによるものづくりに例え、これを近代以降のエンジニアリングの思考、「栽培された思考」と対比させ、ブリコラージュを近代社会にも適用されている普遍的な知のあり方と考えた。》

ブリコラージュは文化人類学の概念であると同時に、生物学、視聴覚芸術・音楽の概念であり、教育学や情報システム、インターネットとしても応用されている。

わたしの流儀で置き換えれば、近ごろ書いている詩(ポエム)などは、まさにこのブリコラージュの手法にほかならないし、写真もそうなのではないか?
そう思いあたったとき、生活のディテールが、いやに鮮やかに立ち上がってくるように感じたのである。
すでに素材はそこに存在する。わたしはわたしの文脈の中で、それにほんの少し、手をくわえる。
それによって、たとえば、作品としての写真や詩(ポエム)が誕生してくる。

つぎに写真を6枚掲げよう。
(1)~(3)は身体的な素材。
(4)~(6)は精神的な素材・・・と大雑把にくくれる。
これが三毛ネコの「本日のメニュー」・・・ということになるだろう。



(1)
これが今日のコンビニメニュー。
ざるそば、ドライカレー、五目いなり寿司。


(2)
爽健美茶とキーホルダー。このお茶は数日前、セブンイレブンの抽選で当選したもの。
三毛ネコのキーホルダーには、クルマ、事務所、自宅の鍵がある(管理している鍵は数百あるが、他の鍵はすべて賃貸物件の鍵)。


(3)
Coolishというアイスクリームと、キシリトール入りガムは、今日セブンイレブンの抽選で当選し、いただいたもの。タバコはいつものLARK(EXTRA MILDS)のロングサイズ。


(4)
クラシック音楽CD10枚組。“GREAT CONDUCTORS”輸入盤のため、レーベルはよくわからない。ここからはわたしにとっては「精神のごはん」となる。


(5)
3冊の本A
1.「原子力神話からの解放」高木仁三郎(講談社α文庫)
群馬県前橋市出身の核化学者。2000年没。これまで4冊読んできた反核について書かれた本の中では、いちばん明快でわかりやすい(^_^)/~ おすすめの一冊!

2.「経済学・哲学草稿」カール・マルクス/長谷川宏訳(光文社古典新訳文庫)
「初期マルクス思想」の代表的著作。岩波文庫などと比較し、格段に読みやすい。

3.「漱石を読みなおす」小森陽一(ちくま新書)
漱石研究の最新の水準を踏まえ、それに創見をくわえた注目の評論。。「猫」への理解が180度変わったし、漱石と「金銭」の関係に決着がついた気がする。



(6)
3冊の本B
1.「生活の世界歴史6 中世の森の中で」堀米庸三編(河出書房新社)
経済史と戦争を中心に語られてきた歴史ではなく、「生活史」を中心に据えた、画期的な歴史書シリーズ。遠くにフランスのアナール学派の影響が見え隠れするが・・・。
http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=index&cPath=102_183

2.「金子光晴詩集」清岡卓行編(岩波文庫)
戦前・戦後にわたって活躍し、長命をまっとうした大詩人。宮沢賢治の対極にそびえる抒情詩の世界は、三毛ネコのインスピレーションの源泉となっている。

3.「西脇順三郎詩集」思潮社現代詩文庫1-16(思潮社)
破天荒の学者詩人。これまでは近づけなかったが、最近はいくらか「読める」ようになっている。西行、芭蕉の旅の詩の伝統につらなるのは、近・現代ではこの詩人となるかもしれない。

こういったものは、わたしにいわせれば日替わりのメニューとなる。
クルマに積んである「中身」は、ほぼ毎日、少しずつ入れ替わっているからである。
これらが、わがブリコラージュの、いわば食材となっていく。
はて、皆さんの場合はどんなものだろう。
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