お昼を自宅で食べてから、榛名山の向こう側にある東吾妻町へ出かけてきた。
4年前から夏になると、3、4回は通っている撮影ポイントがあるからである。
蛾がやたらと多いGポイントのほか、周辺には里山的環境が拡がっている。
クルマを飛ばして、1時間と少々の距離。
Gポイントについて5分もしないうち、雨がぱらつきはじめ、やがて激しい驟雨となった。
「あーあ、ついてねえや」
やむをえず、その驟雨のなか、カラスアゲハの観察予定ポイントへ、クルマを移動。
大戸の関所址から、西へ1キロあまりの谷間の村である。
このとき、雷鳴が聞こえ、いっとき豪雨となった。
しばらく車中で待機していると、やがて雨は小降りとなり、しばらくしてやんだ。
林縁に沿って、農道がうねうね続いている。
路肩にクルマをとめ、歩きはじめた。
「はずれだなあ。今日は収穫なしとなるかも」
3、400メートルいって引き返した。
すると、おや。あの黒い点は?
待望のカラスアゲハだった。昨年はわざわざ出かけたのに、遇えなかったから、よろこびはひとしお。
葉にとまった彼女(彼)をまず、数枚パチリ。
相手は警戒して近づいてこない。
飛び立ち、遠くへ向かうように見せて、また弧を描くように、2、3分でもどってくる。
カメラをもち、麦わら帽子に長靴スタイルのわたしに近づいて「こいつぁ何者だ?」とばかり、飛びめぐる。6分、7分、8分と時間がたっていく。それから、コンクリートの壁にとまった。
彼女の警戒心がゆるんだのだ。
コンクリートの壁には、びっしりと苔が。
そこから吸水し、お尻からピュッと、勢いよく水を出す。よく知られた「吸水シーン」である。
わたしは5メートルほど遠ざかったり、その場にうずくまったりして、何枚か撮影に成功した。それからさらに15分。もう1頭のカラスアゲハが現われ、ツーショットを展開して見せてくれた。翅の傷みのない、新鮮な個体がすばらしい。コンデジで動画も撮影できた。
林を歩いていると、カラスアゲハやオナガアゲハなどを見かける。棲息範囲は広く、普通種なのに、撮影となるとそのチャンスは少ない。
世界には500種をこえるアゲハの仲間がいるという。
その大部分は大きく、美しく、チョウ屋を魅惑してやまない。
このカラスアゲハは、名前こそ「カラス」でさえないが、色彩美と、鱗粉のデザイン技で、キアゲハなどとならび、トップクラス(^_^)v
最後はその距離、数センチまで迫れた・・・というより、接近を許してくれたのである。
ほとんど「チョウとキス」をしているようなこの一枚の価値は、わたしには尊いものがある(笑)。
それからまた移動し、村道をうろうろしていたら、地元のじいさんが軽トラにのってやってきた。
「何をしているんだね。調査かね?」
「いえ、趣味です。チョウや甲虫の撮影できています」
あやしいヤツ! と思われたのか・・・。
「このあいだも、生態の調査で何人かきてましたよ。この近辺はいい環境が保存されているといってましたがな」
そういいながら、じいさんは半信半疑の体。
わたしは液晶で撮影したばかりのカットを何枚か見せた。
ついでに、チョウの情報を仕入れようか、と。
しかし、チョウは、関心のない人にはほとんど見えないのである。
「そんなのがいるのかね?」
ガーン! この村で生まれた、この村の住人なのに。
じいさんは、鳥を撮ろうと、18倍の望遠ズームを買ったが、鳥は警戒心が強くて、まったく撮影できないと嘆いてみせた。「ところで、ニホンミツバチの写真は撮らないかね。2函飼っているんだ」
「ああ。ミツバチですか」わたしは内心がっかりしながら話をあわせた。それからしばらくミツバチ談義。「セイヨウミツバチと較べて、段違いに味が濃く、最高だね」と自慢話に花が咲いた。
愉しきひとときは、こうして過ぎていった。
4年前から夏になると、3、4回は通っている撮影ポイントがあるからである。
蛾がやたらと多いGポイントのほか、周辺には里山的環境が拡がっている。
クルマを飛ばして、1時間と少々の距離。
Gポイントについて5分もしないうち、雨がぱらつきはじめ、やがて激しい驟雨となった。
「あーあ、ついてねえや」
やむをえず、その驟雨のなか、カラスアゲハの観察予定ポイントへ、クルマを移動。
大戸の関所址から、西へ1キロあまりの谷間の村である。
このとき、雷鳴が聞こえ、いっとき豪雨となった。
しばらく車中で待機していると、やがて雨は小降りとなり、しばらくしてやんだ。
林縁に沿って、農道がうねうね続いている。
路肩にクルマをとめ、歩きはじめた。
「はずれだなあ。今日は収穫なしとなるかも」
3、400メートルいって引き返した。
すると、おや。あの黒い点は?
待望のカラスアゲハだった。昨年はわざわざ出かけたのに、遇えなかったから、よろこびはひとしお。
葉にとまった彼女(彼)をまず、数枚パチリ。
相手は警戒して近づいてこない。
飛び立ち、遠くへ向かうように見せて、また弧を描くように、2、3分でもどってくる。
カメラをもち、麦わら帽子に長靴スタイルのわたしに近づいて「こいつぁ何者だ?」とばかり、飛びめぐる。6分、7分、8分と時間がたっていく。それから、コンクリートの壁にとまった。
彼女の警戒心がゆるんだのだ。
コンクリートの壁には、びっしりと苔が。
そこから吸水し、お尻からピュッと、勢いよく水を出す。よく知られた「吸水シーン」である。
わたしは5メートルほど遠ざかったり、その場にうずくまったりして、何枚か撮影に成功した。それからさらに15分。もう1頭のカラスアゲハが現われ、ツーショットを展開して見せてくれた。翅の傷みのない、新鮮な個体がすばらしい。コンデジで動画も撮影できた。
林を歩いていると、カラスアゲハやオナガアゲハなどを見かける。棲息範囲は広く、普通種なのに、撮影となるとそのチャンスは少ない。
世界には500種をこえるアゲハの仲間がいるという。
その大部分は大きく、美しく、チョウ屋を魅惑してやまない。
このカラスアゲハは、名前こそ「カラス」でさえないが、色彩美と、鱗粉のデザイン技で、キアゲハなどとならび、トップクラス(^_^)v
最後はその距離、数センチまで迫れた・・・というより、接近を許してくれたのである。
ほとんど「チョウとキス」をしているようなこの一枚の価値は、わたしには尊いものがある(笑)。
それからまた移動し、村道をうろうろしていたら、地元のじいさんが軽トラにのってやってきた。
「何をしているんだね。調査かね?」
「いえ、趣味です。チョウや甲虫の撮影できています」
あやしいヤツ! と思われたのか・・・。
「このあいだも、生態の調査で何人かきてましたよ。この近辺はいい環境が保存されているといってましたがな」
そういいながら、じいさんは半信半疑の体。
わたしは液晶で撮影したばかりのカットを何枚か見せた。
ついでに、チョウの情報を仕入れようか、と。
しかし、チョウは、関心のない人にはほとんど見えないのである。
「そんなのがいるのかね?」
ガーン! この村で生まれた、この村の住人なのに。
じいさんは、鳥を撮ろうと、18倍の望遠ズームを買ったが、鳥は警戒心が強くて、まったく撮影できないと嘆いてみせた。「ところで、ニホンミツバチの写真は撮らないかね。2函飼っているんだ」
「ああ。ミツバチですか」わたしは内心がっかりしながら話をあわせた。それからしばらくミツバチ談義。「セイヨウミツバチと較べて、段違いに味が濃く、最高だね」と自慢話に花が咲いた。
愉しきひとときは、こうして過ぎていった。