二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

消えゆく街の記憶 ~本庄・深谷編

2014年05月09日 | Blog & Photo
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。」 これはあまりにも有名な川端康成「雪国」の冒頭。 本書は残酷な美の探求者である作者がつむぎ出した、ある種の反ユートピア小説である。 リアリズムに裏付けられた語り口をもってはいるけれど、いま読み返すと、周到に仮構された幻想小説的な味わいがひそんでいる・・・と、わたしは推測している。 あくまでも「片腕」や「眠れる . . . 本文を読む
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