二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

復路にて(ポエムNO.57)

2011年09月17日 | 俳句・短歌・詩集
折り返し点がどこであったのかわからぬが ぼくはすでに復路にいる。 四十になったあたりから 方向転換を図ろうとしてはいたのだけれど。 生地という湿気が肌をうるおす。 ここでやがてぼくは土にかえる。 復路もまた 隘路から隘路への連続だった。 歯がかけ 墨染めの衣を着た皺ふかい男が トノサマガエルのようにのそのそやってきて 夕焼けに染まる西空を茫然と見あげている。 「お祖父さん!」 呼びかけてみるが返事がない。 . . . 本文を読む
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