パールハーバーにあるアリゾナ記念館へは、ハワイに移住する前、観光旅行で行ったことがある。
わたしの誕生日が12月8日、真珠湾攻撃の日(日本時間で)なので、ちょっと因縁を感じるのだ。
(真珠湾攻撃の年は1941年。わたしの誕生年ではありません。念のため!)
今日、ここへ来たのは、車の5千マイル点検の待ち時間つぶし。
(って言ったら失礼かな。)
アリゾナ記念館には行ったことがあるので、まだ行ったことのない「太平洋航空博物館」を見てみることにした。
戦時中の戦闘機が展示されているらしい。
博物館は、軍の敷地内にある。
朽ち果てた管制塔(かな?)
雑草の生えた滑走路に、たまに車が走っている。
1941年、ここで戦争が始まった。
飛行機の格納庫をそのまま博物館にしてあるような建物の中に入ると、
天井から戦闘機が吊るされていて、英語と日本語で説明のボードが立ててあった。
一機の戦闘機を説明した文中に、
以前、Kenjiとわたしが働いていた会社の昔の社名を見つけた。
戦時中この会社は、飛行機などの計器を作るメーカーだった。
過去の出来事、と思っていた戦争が、ちょっとリアルに感じた。
機体にできたでこぼこのキズが、この機体がいかに薄っぺらい金属板で出来ているかを物語っている。
こんなちいさなちいさな、おもちゃみたいな飛行機で、たくさんの人たちの命を奪い、命を落とした。
わたしのおじいちゃんの世代は、戦争に刈り出された世代だ。
ほんの3世代前に、こんな戦闘機で戦争が行われていたんだ。
今、自分たちが戦争に行くことをイメージしてみようとしても出来ない。
身近な人から戦争体験を聞いたこともないわたしには、戦争は過去の出来事だ。
(今なら核爆弾のボタンを一押し、で終わっちゃうんだろうか。)
博物館を出ると、まぶしい太陽の日差しの中で、数人の軍人がトレーニングを始めていた。
今、目の前にいる彼らも、戦争に行くことになるのかな。
アメリカは今も戦争をしている。
今も人を殺し、殺されている。
こんなにいつも戦争をしていたら、アメリカは「何とか戦争記念館」とか「かんとか戦争博物館」とかそんな施設だらけになっちゃうよ。
今の戦争はアメリカにとっては「Just War (正義の、正当な、戦争)」らしいけど、
犠牲になった人やその家族にしたら、正しいも正しくないもないよね。
風のない青空の下で、とりとめもなく「戦争の正しいって何だ?」を考えていた。
突然、
「ルルル・・・」
と電話が鳴って、車の点検が終わったと連絡が入った。
ディーラーに戻って車をピックアップ。
当時の戦闘機より、はるかに性能の良い車を運転しながら、
ランチは何を食べようか、などとのんきに考える。
戦争のことを考えたのは、ほんの少しの時間。
でも、こんな風に少しでも戦争のことを考える時間を与えてくれる、
こういった施設は、やっぱり必要なんだろうな。
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