薄暗い非常階段を降りて、ニコの散歩に出る。
鉄製の重いドアを開けると、
朝の光が眩しすぎて、強すぎて、
一瞬、
世界がモノクロームに見える。
固く閉じた目を開く。
だんだんと、光に慣れてくる。
世界が、輝き出す。
ひかりと色が交錯する、キラキラとした朝だ。
いつもと同じ、朝だ。
いつもと同じ。
それなのに、狭い子宮口を通ってこの世に生まれ落ちたばかりの赤ん坊のように、
すべてが新鮮だ。
初めての肺呼吸で大声で泣いている赤ん坊のように、
すべてが新しい世界だ。
いつもと同じで、すべてが新しい。
私の中の、死んでいく細胞と、生まれたての細胞。
これは、新しく生まれた細胞の感情なのかもしれないね。
「ニコも感じる?」
いつもと同じ朝の散歩。
暑くなってきたね。
お水が飲みたいね。
おうちに帰ろうね。
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