ハレマウマウの火口からの噴煙。
この下に、マグマが流れている。
ハワイ諸島は、海底火山の噴火で隆起して生まれた。
地図で見ると、ハワイの島々は、北西から南東に向かって右下がりに並んでいる。
南東で海上に誕生した島は、太平洋プレートに乗って北西の方面に運ばれる(地図で言うと、右下から左上へ)。
何万年も掛けて(100万年に51㎞だそうだ)、ベルトコンベアーに乗っているかのように運ばれる島々は、いずれ海底に沈んでその島の一生を終える。
ハワイ島はまだ若い。
ハワイ島の先には、まだ海上に顔を出さないロイヒ海山が育っている。
この島は、まだ生きている。
ハワイ島3日め、
キラウエア火山をめぐる。
ハワイ火山国立公園のゲートを進み、クレータ・リム・ドライブをしばらく走ると、道路は行き止まりになっていた。
火山活動が活発な時期は、道路が閉鎖になるのだ。
火口の周りを一周するルートは他にない。
仕方がない、行けるところを行こう。
車をUターンさせて、チェーン・オブ・クレーターズ・ロードを走る。
遠くに、マウナケアが見える。
カメラをズームしてみると、昨日訪れた天文台が見えた。
昨日のことなのに、もっと時間が経っている気がする。
道路のところどころに、大きな駐車場がある。トレッキングルートの入り口だ。
ラバチューブの看板を見つけて、車を止める。
ここを散策しよう。
大きなシダが頭上で揺れる。
幾層にも重なった葉が光を映し、地上に影を落とす。
ラバチューブの入り口が見えてきた。溶岩で出来たトンネルだ。
日本のTVなどでも紹介されて有名になった、パワースポット。
この日は、人も少なくトンネルの中はわたし達だけだった。
ひんやりと静かな硬い空気が周りに漂う。
実はわたしは、閉所恐怖症だ(笑)。
エネルギーがどうの、オーラがどうのと考える間もなく、通り過ぎた。
チェーン・オブ・クレーターズ・ロードを、ひたすら海が見えるまで走る。
道路の周りは、真っ黒な溶岩。
このあたりは、1960・70年台の噴火の跡だ。
ハワイ島の溶岩はサラサラと粘度が少ないのだという。
そのせいか、こまかいシワを留めて固まっている溶岩。まだ柔らかくさえ見える。
欠片は軽く、日にかざすとキラキラと光っていた。
こんなところにも、オヒア・レフアは育っていた。
いつか植物が溶岩を埋め尽くし、森になるのだろうか、
その前に、人間に開発されてしまうんだろうか。
はたまた、ふたたび溶岩が流れて、黒い大地となるのか。
いずれにしても、同じ形をとどめていることはないだろう。
ペレによって、破壊されは生まれ変わるハワイの大地。
終りと始まりを繰り返し、長い年月の中で、このハワイの島々すらも、生まれては死んでいくのだ。
一面真っ黒い溶岩の上に立って、人の力なんてまったく無力だと、思い知らされる。
そして、自然の力強さに、いさぎよさに、圧倒される。
旅の終わり、空には薄い虹が出ていた。
もうすぐ空港に向かう。
オアフの喧騒の中に帰らなくては。
わずか3・40分ほどのフライトで、飛行機はホノルル空港に着いてしまう。
空の上で、記憶がフラッシュバックする。
ワイピオの谷の底で、馬にまたがりタロ芋畑を見まわる夢をみる。
Yokoさんのコーヒー農園で、赤いコーヒーの実を摘む夢をみる。
ハワイ島の記憶は、わたしのからだに染み込んだ。
だから、思い出せばいつでも、頭の中の記録としてではなく、感覚として蘇る。
思い出せばいつでも、わたしの魂はハワイ島に飛んでいけるのだ。
追記>後で読みなおしてみたら、方角の間違いがありました。ごめんなさい!(^^ゞ
下記の通り訂正いたします。上記記事内は訂正済みです。(5/9/2013)
誤>南
西で海上に誕生した島は、太平洋プレートに乗って北
東の方面に運ばれる。
正>南東で海上に誕生した島は、太平洋プレートに乗って北西の方面に運ばれる(地図で言うと、右下から左上へ)。
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