青空百景/悪人

2010-11-03 | ◆空と映画とスタジアムと…



ちょっと遅くなりましたが、何とか映画館で観る事が出来ました。
感想はただただ一言「切ない!」です。
「悲しい」じゃ無いんですね「切ない!」です。

個人的には人と人の関係なんて、
良くも悪くも広い意味での無理解と誤解で90%くらいは成り立っていて、
そこに欲望や怒りや愛情という感情のスパイスを加えてやると、
色んなドラマが生まれてくると思っています。
それは感情のスパイス次第でメロドラマにもなりますし、
悲劇のストーリーにもなります。

ここに登場する主人公の清水(妻夫木聡)もちょっとした欲望と、
大きな誤解とその場の気持ちの昂りから、
出会い系で知り合った女=佳乃を殺してしまいます。

殺された尻軽女の佳乃は悲しい…
ただもっと悲しいのは、この殺人者と殺された娘に関わる人々で、
訳の分からない憤りや怒りを突然背負わされ、
また、ある人々は世間からの非難や罵声に翻弄されながらも
生き続けてて行かなければならないのです…
物語はここから始まります。

親に捨てられた孫を一生懸命育て上げたのに、
その孫が殺人者になってしまった祖母の切なさ。

バカ娘だけど、大切な娘を殺された親の切なさ。

殺人犯を愛してしまった孤独な女の切なさ。
そして、最後に孤独な男=清水が見せる本当の愛情の切なさ。

愛おしさに満たされた悲しみは何とも切ないです…


あと、主人公の二人及び脇を固める役者のなりきり具合は
迫力すら感じました。
皆さん、色んな役をこなして来て、人によっては
かなり強力な過去のイメージを引きづる人も居るのに、
ここに出ている役者は、まるで本当にそこで暮らす人かと思えるほどの
生活臭さを醸し出していました。凄いな~!!




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