青空百景/リミット(DVD)

2011-05-28 | ◆空と映画とスタジアムと…


僕自身の個人的映画史の中では画期的な作品の一作で、
久しぶりにぶっ飛んだ感覚を味合わさせてもらいました。
究極に余計なモノをそぎ落とした作り方が凄かったですし、
それでいて決して退屈させず、
最後までテンポ良く駆け抜けていくスピード感は素晴らしいです。

映画は、いきなり緊張感のある音楽とタイトルバックで始まり、
プロローグは無音・真っ暗闇が数十秒続き、
やがて苦悶の声が聞こえ、ジッポーライターを着火する音が聞こえ
画が現れるのに2分近くかかり、初めて状況が判った時は
いきなり地獄の底…棺桶の中に生き埋めされているという、
気の弱い人ならもうここで直視出来なくなってしまう
悲惨な状況で始まる。
※ホント閉所恐怖症の方は間違っても見ないように!!

設定としてはアメリカの底辺労働者が紛争地での仕事中、
テロリストの襲撃に遭い、生き埋めにされ、
棺の中に置かれた電話で身代金を要求されながらも
国に救助をもとめるという話ですが。
ミステリーというか、個人的には十分反戦映画としても観られ
下手なスリラー観ているより、よっぽど怖いです。

画期的なのは携帯の動画以外は外の映像は一切無しで、
出演者も携帯の話し相手のみという徹底さです。
つまり終わりまで棺桶の中の映像だけという凄さ!
これで飽きさせず最後まで観せるテクニックには脱帽です。

ただ一般的には評価は真っ二つに分かれるみたいで、
たんなるマゾヒスティックな作品としか観れない人も居て、
映画に対する考え方で評価は大きく違う作品だとは思います。

確かに今の日本を見ていると、ただでも閉塞感一杯で、
息が詰まりそうな感じもする時に、
楽しめる映画ではないかもしれないが、
作品作りの面白さでは十分評価したい作品だと思うんですが…

リミット公式サイト

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