青空百景/単騎、千里を走る

2006-02-03 | ◆空と映画とスタジアムと…

映画“ 単騎、千里を走る”を観てきました。
話は、死期の近づく息子(絶縁状態の関係)のために、健さん演じる漁師の父が、
民俗学者の息子に代わり、中国の仮面劇を撮影に行くという物語です。

息子とのコミュニケーションを回復するため、
これまた自身ではまったくコミュニケーションの取れない中国へ単身出かけ、
目的を達成するために、父はひたすら“誠意”で自分の想いを伝え、
中国で起こる障害の壁を一つひとつ超えていくのですが、
これは健さんのキャラだから成立するテーマで、この役を他の役者が演じていたら、
今どき誠意だけで世の中通るか?!と叩かれそうな映画ではありました。

人間としての根本的な事がテーマですが、
中国のような駆け引きや賄賂が幅を利かす社会では(という話だそうですけど…)
イマイチ甘い物語りに感じられてしまいます。
あくまでも性善説が前提で成立つストーリーですね。

それと面白かったのは、饒舌ではない初老の漁師=健さんが、ひたすら携帯電話と
デジカメを駆使して(妙に使い慣れているのが不自然で可笑しい)
コミュニュケーションを成立させていくのがミスマッチで笑えました。
携帯とデジカメが無かったら成立しなかった映画ですね~。
ついでに、妙にファッショナブルで手帳も使い慣れているのも、
これじゃあ本人そのままじゃない?という感じで、ツッコミ入れたくなりました。

中国の風景は、もっと撮り方でスケール感を出せたような
気がしましたから、少し残念でしたね。

ちょっと不満ばかり書いてしまいましたが、
僕のように意地の悪い見方をしなければ、気持ちの良い話で、
風景も楽しめますから、それなりに良く出来た映画とも言えます。

単騎、千里を走るHPへ…


コメント (2)