離宮をば日々に巨影の呑みこまむ高層ビルのぐるり囲めば
12月23日 浜松町駅近くの超高層マンション34階のKさん宅のベランダにて
超高層マンションでの花火見物を前に、汗だくの10キロ(日々走る)
去年、何十年ぶりかで浜離宮を訪ねた。
庭園はそう大きく印象が変わらなかったが、何よりも驚いたのは庭園の周囲を高層ビル群がぐるりと間近にとりこ囲んでいることだった。
わが家の近くの六義園もいくつかのビルやマンションが景観を邪魔しているが、とてもその比ではない。
何ということだと、新自由主義の何でもかんでも<規制緩和(撤廃)>による乱開発にひどく腹が立った。
ところが、それからしばらくして吾妹の友人Kさんから東京湾花火大会見物のお誘いがあり、そのKさん宅がこれまた何とその<乱開発>による超高層マンションの34階にあったのだ。
その皮肉な偶然に驚いたのだが、訪ねてみればその34階から見下ろす浜離宮は何とも言えない美しい借景なのであった。
以来、今回で3度目の訪問である。
快晴のベランダからは、自分の立っている高層マンションなどの巨大な影に飲み込まれようとしているかの浜離宮が、相変わらず美しかった。
高層マンションの影の先には、スカイツりーも小さく写っている。
ま、桂離宮の周りに高層ビルをぶっ建てるような神経は、たしかに京都人にはありえないでしょうね。
今回の皮肉な経験で分かったことは、浜離宮はもはや浜離宮からではなくて、その景観を破壊した周りの高層ビルからしか美しく見えないということでしょうか。
浜離宮どころか、皇室、皇居と言いながら、平気で<皇居>の景観をぶち壊す<首都高速(いまや低速!)道路>を作って恥じない、かつての自民党政権と財界の伝統を、コイズミとイシハラはしっかりと守ったのでしょう。
京都人には理解できない汚らしさです。
情けないほど美意識がありません。なんとかなりませんかね。