雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

060209 日々歌う

2006-02-09 08:52:50 | 日々歌ふ
三月の下旬の陽気と予報士の言ふに騙され寒さ身に染む

裸木の梢ゆれ舞ひ楠の葉の身悶ゆる朝春の遠かり

時として蛍か星かまな裏に現れ消ゆる齢となりぬ
(齢=よはひ)

元来は虚弱に生れし吾なれどいつしか風邪もひかずになりぬ
(生れ=あれ)

野茨の赤き実愛づる女ありて照柿色といふも床しき
(女=ひと、照柿=てりがき)

折々に縁と頼み十巻の国語辞典を繙き来して
(縁=よすが)

                 *

 ―波平さんの見沼の「霜の朝」の写真に寄せて詠める

淡雪のとけし見沼の地を白く雪と見まがふ霜覆ひける

身も凍むる朝に独り自転車をこぎ行く影の霜に映りて

明けぬれば裸木の群れの影長く白き大地の霜に覆はる

                 *

 ―写真家植田正治の初めての回顧展を娘と観て詠める

鳥取に根ざしねざして突き抜けぬ都写美で出会ふ植田正治は
(都写美=東京都写真美術館)

<情景の光景>といふ連作の題こそ衝かむ植田のアートを

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6 コメント

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私も行きましたよ (saheizi-inokori)
2006-02-09 13:08:45
絵葉書をオフイスに飾っています。砂丘に家族が並んでいる写真。絵本も買いました。なんともいえないいい写真ですね。新しい感覚。
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コメントありがとうございます (paul-ailleurs)
2006-02-09 20:34:18
植田正治展のお歌にある「突き抜ける」、そんな目を持ちたいものだと思っています。それが時空を超えるところに行き着くのではないか、などと考えていました。
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情報に振りまされる事も有ります (blossom花筏…)
2006-02-09 21:02:01
父が母に「今日は温かく成るから。コートは要らないから置いて行くように」と、くどく言われたが「着て来た。」と言っていました。

出掛ける時の状態で主体的に判断する事も必要ですね。

情報が多過ぎて失敗する事も有りますね。
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見沼を詠む (なみへい)
2006-02-09 22:04:04
私の拙い写真から霜の見沼を詠んで頂きありがとうございます。見沼に移り住んで十年になりますが愛着もひとしおです。
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さすが佐平次さん! (髭彦)
2006-02-09 22:54:34
植田正治にも行かれてたんですね。

娘が写真関係の学芸員をしていることもあって、写真展はとくによく一緒に観にいきます。

植田正治は親子別々にファンになっていました。

鳥取の砂丘の不思議な家族の肖像。

モダニズムの最良の成果、かもしれません。

回顧展を観た後、高いカタログをぼくが買って、娘は植田特集の『たくさんのふしぎ』を買いました。

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見沼に行ってみたいです… (髭彦)
2006-02-09 23:19:06
いやあ、波平さんの切り取った見沼のすばらしい<情景>に、歌わずにはいられなくなるのです。

一度行ってみたいです…。

ほんとに。

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