夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

不真面目なCM

2010年06月09日 | 暮らし
 テレビ朝日で、散歩の番組からごく自然にコマーシャルに入り込んでしまう巧妙な番組がある。もうすっかり慣れ切ってしまっているから、すぐに消すが、午前中に外での仕事が無い時は、パソコンに向かいながら、私は次の時代劇の再放送を見るのでそのままにしている。その時代劇も何度も同じ番組の再放送どころか再々放送、もしかしたら再々々放送もしているかも知れないが、まあ、時代劇を見ると言う事がそもそもは言うならば馬鹿げているのだから、それは措く。
 さてそのコマーシャル番組だが、当然に主婦が対象になるから、商品も家庭向けの物が主になる。今日の商品は抗菌保存容器。日持ちもするし臭いも付かない。それをある主婦を相手にもやしといちごを一週間保存して確認させている。まずはもやしを入れた容器を出して、中身を点検する。
 私がわざわざこのような話を持ち出したのは、その時の冷蔵庫の状態が問題だからである。
 私なら、容器を取り出したらすぐに冷蔵庫の扉を閉める。ところが、このCMでは扉はずっと開けっ放しだったのである。それもすっかりと全開した状態で。更に次にいちごの容器を取り出したのだが、それもまたそのまま開けっ放しで説明が展開するのである。

 家事に関する商品を紹介しながら、その肝心の家事がいい加減にされている。これを仏作って魂入れず、と言う。このCMを作った人々の常識を私は疑ってしまう。この商品を作った人々は何よりも新鮮さをどれほど長持ちさせるか、臭いをいかに遮断するか、に創意工夫を凝らした事だろう。それなのに、一般的な常識をすっかり忘れている。そんな状況で果たして商品の開発が出来るのか。私は出来ないだろうと思う。
 冷蔵庫の扉の開けっ放しなんて、単にちょっとしたミスではないか、などとは言えない。私は少しでも扉の開閉を少なくしたいと、片開きではなく、両開きの冷蔵庫を使っている。それでもなかなか片側だけでは済まない事が多いけれども。

 CMの制作者が不真面目なのか、商品の開発者が不真面目なのか、それは分からない。けれども、どちらにしても不真面目なんだなあ、と思った事だった。