夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

嘘をつく人は勝手な思い込みをする人らしい

2012年03月21日 | 暮らし
 『平気で嘘をつく人々』(草思社)と言う本を以前に読んだ。確か、ブックオフで安かったし、草思社の本なので買った。でも私にはあまり感銘の深い内容とは思えなかったので、途中で投げ出してしまった。その中に、平気で嘘をつく人は、自らの勝手な思い込みに入り込んでしまう人だと書いてあったらしい。
 思い込みが激しくて、それに心も頭も奪われてしまっているから、現実とは違った事でも信じ込んでしまうのだ、と言う。納得が行く。
 と言うのは、私の周囲にそうした人が少なくとも四人は居るからだ。男女それぞれ二人ずつ居る。

 彼等は自分が不利だった事に関しては、非常に執念深いと言う共通性がある。二年も前の事でもしっかりと覚えている。それは当然に彼等の記憶であって、現実とは大きく違っているのだが、そうとは思っていない。だから、私には彼等が嘘をついているとしか思えない。
 私は他人とのやりとりはかなり良く覚えている方だと自分では思っている。なぜ覚えているのかと言うと、その時にきちんと論理で考えて、筋が通る、通らないで、判断をしているからだ。決して感性では判断はしない。感性ではなく論理だから、あまりぶれる事も無い。そして論理の筋を思い出せるから、自分のした事、言った事をかなり正確に思い出す事が出来る。

 ところが、彼等は違う。ほとんどの事を感性で判断しているから、前に言った事と違う事を平気で言う。そして私のした事、言った事に対して、間違った記憶をそのまま持ち続けている。四人もの男女からそうした被害を受けているから、最初はおかしな人達だなあとしか思えなかったが、そうか、勝手な思い込みの世界に入り込んでしまっているのだ、と分かれば、理解は出来る。出来るが、大きな迷惑ではある。

 そして今では自衛手段を取っている。何かと言うと、そうした人達とは大事な話はしない、である。軽い世間話だけにして置く。そして出来るだけ話に乗らない。いい加減に返事をしていれば、相手もつまらなくなって、話し掛けなくなるだろう。
 ただ、私は人と話す事が好きな性分だ。だから本を書いている。私にとって、書くのは話すのと同じなのである。沈黙を守るのはかなり辛い。私の一つの仕事は、待機時間が結構ある。そして常に三人で組んでいるから、小さな部屋で面と向かって黙っているのは不自然でもある。だから、最近は難しい本を持ち込んでいる。例えば『日本書紀』とか、である。相手はちょっと覗き込んで、ああ、これは自分の世界じゃないな、と分かるから、引っ込む。でも、日本書紀って、追究する目的がある場合には面白いが、そうではない時には非常につまらない本でもある。