夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

郵便事業が大赤字だと言うのだが…

2011年01月11日 | 社会問題
 郵便事業が大赤字だと言う。最大の原因が、月50億円もの赤字を垂れ流した宅配便子会社の損失補填をした事と、その子会社が発生させたゆうパックの大幅遅れの対策費である。
 郵便事業に他者が参入する事を終始厳しく阻止していたにも拘らず、自ら宅配業に参入した勝手な郵便事業でもある。正確な事では思い違いもあるかも知れないが、大筋は間違ってはいないと思う。と言うより、私はずっとそう思い込んでいる。
 郵便局で郵便を差し出す時に、「いつ着きますか」 と聞くと、決まって 「分かりません」 と言われる。急ぐなら速達にしてくれ、とも言われる。冗談じゃない。宅配便ではいつ着くかは明確に分かっている。時間帯の指定まで出来る。早ければ、今日の午後8時までに出して、翌日の午前中に届くのだ。そして宅配便は土曜だって日曜だって受け付けてくれる。しかし郵便局はそうではない。本局は休日の午前中は受け付けるが、昔、特定郵便局と言った町の小さな郵便局は休日はしっかりと休んでいる。他人の仕事を分捕るくらいなのだから、休日に開けていても罰は当たるまい。

 私は何度か郵便物を配達途中に無くされている。ずっと昔、禁止されていた普通郵便物の中に現金を入れて、無くなった。慣れた人間なら、封筒の外から触っただけで、中に現金が入っているのが分かるのだと言う。事故届けを出して調べてもらったが、もちろん、不明のまま。そりゃそうだ。証拠は何も残っていないのだから。
 ごく最近では、出版社に応募した大切な原稿が届かなかった。何ヶ月も経って、何の音沙汰も無いので問い合わせた所、受け取っていないと言う。出版社が何かの手違いで無くしたとも考えられない訳ではないが、私は郵便会社の方を疑っている。
 と言うのは、郵便配達がバイクにたくさんの郵便物を載せてむき出しにしたまま、マンションなどの中に配達するためにバイクを離れている現場を何度も見ている。しっかりと見ていたら、数分経っても戻らなかった。その間に、郵便物を盗む事は簡単に出来る。私は昔集めた10円とか15円とかの低額面の郵便切手を大量に貼っている。最近の人から見たら多分、とても珍しい切手だろうと思う。切手欲しさに盗むと言う事が無いとは思えない。そこまで考えなくても、あまりにも不用心な郵便物の処理を見ていると、無くなっても不思議は無いな、と思う。

 最近は無くなったが、誤配も何度もされている。私の所に全く別人の郵便物が配達されるのである。何度注意しても直らない。番地も違えば受取人も違うのに、間違える。全く別の局で何度も体験しているから、これはもう体質と言うしか無い。責任者を呼んで苦情を言うと、組合の圧力があって、どうにもならないのだと言う。
 他人の郵便物が私の所に入って来るのだから、私のが他人の所に入る可能性もある。以前、間違って封を開けてしまった、と謝りながら届けてくれた人が居た。間違っているのを知っていて捨ててしまう人が居ないとは言えない。
 今年の年賀状で一通だけ、私は相手の番地を書き間違えた。それで戻って来てしまった。56番地と書く所を5番地と書いてしまったのだ。でも相手は何十年もそこに住んでいる。それに近在には無い珍しい苗字でもある。何年かその地域の配達をしていれば、絶対に分からない、と言う訳ではないと思う。自分が間違っていながら、何とも図々しい考え方だが、誠意があれば、間違った番地でもきちんと届く可能性はあると思う。

 要するに、仕事に対する熱意が足りないと思う。余計な仕事を背負え、と言うのではない。しかし、自分の仕事に関わる事であれば、多少とも余分な事だな、と思ってもそれをするのがプロの仕事人ではないのか。
 郵便事業が危ないのは、カネの問題だけではないと思う。郵便事業に対する取り組み方その物が危ないのだと思う。郵便料金が安いのかも知れない。でもそうなら、公共の仕事である郵便事業を民営化する、と言うのがそもそもはおかしい。複雑な問題を抱えているから、簡単に言う事は出来ないが、私は働いている人々の姿勢にも大きな問題があると思っている。