夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

低体温症と平熱

2011年01月07日 | 暮らし
 テレビで低体温症を特集していた。私も平熱が35・5度だったりするので、見た。しかしそれは低体温症ではないと言う。たとえ脇の下で計った体温が低くても、体の深部の体温はそれよりも2度ほど高いのだそうな。そしてその深部の体温が低い事は滅多に無いらしい。脇の下は体表面だから、どうしても体温は低くなる。番組は直腸で計ったが、それはやりにくい。我々が同じようにするには口の中で舌の下に入れて計るのが良いそうだ。
 脇の下にしても、簡単に計れるデジタル体温計でも10分はそのままにしないと正確な体温は計れないと言う。でも去年の暮、風邪気味でかかった医院では、看護士が3分ほどで、体温計を取りに来た。ブロでさえ知らないと言う事か。
 有料の放送だから、まさかいい加減な事は言うまい。と言うと無料の放送ではいい加減な事を言っている事になるが、実際、私はそう感じている。何しろ、CM料金が欲しくて番組を放送しているかの感がある。小林信彦さんが「テレビ局というのは何を考えているのか、とつくづく思う。地上波というのは、もう投げているのでしょうね」と書いていたが、BS放送には丸っきりCMじゃないか、と思えてしまうような番組もあるから、結局はテレビ局は全部投げているのかも知れない。
 おっと、低体温症の話だった。同じ日の新聞の本の広告に「健康体温36・5度の生活術」なる本が載っている。こうした本は以前からある。体温を1度上げるだけで、免疫力が増す、と言う本である。今回の本も同様らしく、平熱が下がって34~36度になると、シミ肌荒れ、手足の冷え、むくみ・肩こりなどの症状から、アトピー性皮膚炎、内臓系の病気、うつ・ガンなどの原因になる、とうたっている。

 さて、これらの本の平熱とはどのようにして計った熱なのか。そしてそれはその人の平熱と言えるのか。
 こうして考えてみると、我々は自分の体温一つ正確に計れていないらしいから、体温がどうの、平熱がどうの、と言ったって、どこまでこうした本を信じられるか、と言う問題がある。たとえ、自分の平熱が低いと思っていても、それで健康であればいいではないか、とも思う。健康か不健康かはどうして判断するのか、と言う問題もある。持って生まれた体質と言うのもあるだろうし。
 そう言えば、以前、世界保健機構の提唱している理想的血圧は低過ぎるのだ、とある医師が書いていた。それとは別に、血圧は何の理由もなく上がる訳ではない。高いにはそれだけの理由がある。例えば、血管が細くなっていて、血圧を上げなければ血液の循環が悪くなる、などの理由である。それを機械的に低くしてしまっては駄目だろうと思う。
 血圧は一日の内で変化が激しい。私など、上が180にもなるかと思えば、90くらいで、立ちくらみをしてしまう場合さえある。それで医師は今の所は様子を見ましょうと言って薬は出されていない。しかし尿酸値となると、基準をほんのわずか上回っただけで、薬が処方されてしまう。以前、右足のかかとの激しい痛みに二度襲われて、それで尿酸値を計る事になったのだが、一年以上医者にかからず、薬も飲んでいなかったけれど、何の症状も出ていない。でも這ってしか移動出来ない痛さは御免だから、今は薬を飲んでいる。
 尿酸値が高くても、痛みの原因である結晶が出来にくい体質もあるのではないか、と思う。まあ、自分の体なんだから、自分なりに色々と試行錯誤するしかないか、と思っている。