おっさん先生と愉快な仲間のぶろぐ

先生って楽しい仕事だと思い続けることができたしあわせな爺っさまのつぶやきです。

通常学級で特別支援教育を行う場合の方向性ですか

2012-07-18 23:17:22 | Weblog
大学院では、研究のひとつとして、
漢字の読み書きの学習支援について考えていました。

多くの小学校において、漢字習得が学習の基礎となるという認識があります。
特にその定着に関しては国語の学習の大きな要素となっており、
各学年で対応する指導を行っています。

漢字習得は小学校の「学習の基礎」として「大きな位置」を占めているのは
あなたたちなら理解できると思います。

しかし「大きな位置」を占めているがゆえに、
この部分での発達の偏りやつまづきがすぐに、
教師も保護者も「学習障害があるのでは」という意識に
結びつきやすくなっている場合もあるように思えました。

確かに、低学年においてひらがなを読むことが難しい子どもの中には、
いろいろな教科書の本読みが難しいという子どもがいます。

漢字を書くことに苦手意識を持っている子どももいます。
だからといって、偏りのために本読みや漢字の書きがうまくいかない子どもの全てが
学習障害児ではありません。

丁寧な学習支援の積み重ねで改善できることも多くあるのです。
「ぎゃっぷ」や「ちゅうしゃじょう」など「濁音や促音」、
「のばすところ」のある言葉の読み書きが苦手な子どもには
特殊音節の指導を、漢字の書きが苦手なの子どもには、
書き順の色や順番を意識した書き方の工夫をした書字練習を行うと
有効だろうなと考えるのですが、
教師の側にも、ある程度の読み・書き障害に関する指導スキルと
時間が必要なため一斉の授業の中では難しい場合があるのです。

むしろ、
この「一斉の授業の中ではきちんとした手立てができない」ということの方が
課題なのかもしれません。

学校における教員配置の問題、ただ個別指導をしたらよいのではなく
ある程度の読み・書き障害に関する指導スキルが必要ということや
保護者の側の「個別の取り出し学習への不安感」や
本人の「友達に知られたくない」という意識
などが相まって支援が必要な子どもが
「一斉の授業の中で時間を消費している」という状態になっているのではないかと
思うことがあります。

本読みが苦手な子どもにとって、
一斉授業での指名読みの時間は
苦痛の時間になってしまいます。
またノートの取り方や、発言の仕方が分からないという子どももいます。

クラスの多くのこともたちに有効な手立てだからといって
繰り返し書く、繰り返し読むだけの指導では
メンタルな部分で折れてしまう子どももいることに
気づく必要があると思います。

「そのうちわかるようになるから
ゆっくりやろうね」といったポジティブな考え方が
教師にも保護者にも必要だと思います。
そのことが子どもにとっても励みになるのではないでしょうか

「どうすれば勉強をしたいという気になるのか」というのは
永遠の親の課題だと思いますが、苦痛なことを繰り返し行わせるより
得意なことをのばしていくことが、苦手なことを克服することに結びついていくと
思い切ることが1番の近道かもしれませんね。

子どもの得意なことと不得意なことをまず、教師も保護者も知ることが必要だと思います。
得意なことを手がかりに、指導を組み立てる力が教師には必要です。

基礎学習の定着という錦の御旗から
読み書きの学習では、反復練習が必要と考えがちで、
反復学習を徹底させることこそ大切だと信念を持って語る先輩たちも
多くいるかもしれません。

しかし、効果がないことを反復するのは、多くの場合、
マイナスでしかないように思うのですが・・。

学習の中にゲーム的な要素を取り入れることが有効なのは
ICTのコンテンツ活用を研究していたときに実感しています。
読み・書きの学習の場面でも、小学校なら、どの学年でも
ゲームやカード遊びの中で学習の工夫をすることが効果的だと思います。

先の見えない、機械的な漢字の書きの練習をすることは
多くの子どもたちにとって苦痛です。

反復する場合も、何か手がかりを与え
改善が見られたら徐々に手がかりを外していく方法もあるのではないでしょうか。

子どもの得意な場面を見つけ、
機械的な反復学習を避けるように工夫することで、楽しい学習という
意識を醸成できるのではないでしょうか。
このあたりが「通常学級で特別支援教育を行う場合の方向」
かなって思っています。
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