おっさん先生と愉快な仲間のぶろぐ

先生って楽しい仕事だと思い続けることができたしあわせな爺っさまのつぶやきです。

2002年/10月 

2002-10-28 23:14:03 | Weblog
教育実習終了。大変な時期に実習生も頑張ってくれた。充分に教師になる資質と熱意をを持った青年だ。大阪府は惜しい青年を不合格にした。

一人で林間学習の準備を行うことがこれほどきついものだとは思わなかった。当日は比較的に安心できたがそれまでが大変だった。今までは何人かの学年の教師で分配して行っていたことを全部一人でしなければならないとなると結構時間がかかる。まして何もない新設校だった。今まで楽をしていたことを痛感した。


林間学習引率記

いよいよ出発

10月23日 晴天 担任の普段の行いがよいからだと内心では思いながら学校に向かう。張り切りすぎたせいか、学校到着は7時・・。いつもより一時間も早く着いてしまった。まだ、だれも来ていないシーンとした学校。。新設校の複雑な施錠システムをまだ理解し切れていない教師は入り口の近くで重たい荷物を背負ったまま待つしかない。待つこと20分。ようやく3年のN先生が到着。荷物を運び込むことができた。あわただしい準備を終えると、そろそろ出発の時刻。黒板にトイレと酔い止め薬のこと、出発式の時刻を書いて、昇降口へでる。期待にわくわくした顔、不安そうな顔、とにかく29名全員が参加できたことがうれしい。前日まで、我がクラスでは毎日1,2名が連続して体調不良で欠席。ようやくこの日全員集合した。 出発式から係り活動の開始。子ども達は自分たちで作り上げた分厚い「しおり」をマニュアルに一生懸命、取り組んでいる。快調な滑り出しだ。いよいよバスに乗って出発。バスは1台。なぜか豪華な52人乗りのサロンカーが来た。空席が後ろにあるのがなにか、もったいないような気がした。教育実習生と養護教諭が同乗。今まで経験した林間学習の悪夢が頭によぎり、とにかく酔い止めの薬を飲んだかを確認。ついでにガイドさんも確認。事前の連絡ではガイドさんなしの62人乗りと聞いていたが、気にしないことにした。
 
バスの中で

とにかく元気、元気の車中の様子。ガイドさんの自己紹介にも拍手。運転手さんの紹介にも拍手とにかくノリがいい。でもすぐに「先生 お茶飲んでええかー」「先生 バスレクいつからやるの」「先生 バスレクの紙忘れたー」の「センセイ攻撃」の嵐。「レク係が決めてるはずやろ」「少しからだをやすめなさい」「今から出し物考えてたら 酔うてしまうぞと」と怒鳴り返しても、次々と新しい「センセー」の言葉が聞こえてきた。どうやら、いざ本番となると、事前の準備ができていないことが急に心配になるらしい。100パーセントの準備ができないと前に進めなくなるタイプが多いのかも知れない。狸寝入りを決め込もうとするが、子ども達はやる気満々、仕方なく早めのバスレクが始まった。班での出し物はそれぞれの子ども達の特徴がでていて楽しかった。ただ、やることに一生懸命で、聞いて楽しむことができない子もいて、少し考えさせられた。湯ノ花温泉に近づいたとき、担任の「この辺りには鬼がでるらしい」という発言に「センセイ アホちゃう 鬼なんかいいひんで」という冷たい子ども達の返事。気を利かせて運転手さんが鬼の像のある道を通ってくれた。「センセー ほんまにオニやー」なかなか粋な運転手さんでした。張り切るレク係の出し物が最後の出し物になったとき、A君が嘔吐。米田先生の迅速な処理で大助かり。バスの中で一人が嘔吐しはじめると、なぜか連鎖的に嘔吐が始まることがある。何人かが気づいたようだが、さりげなく、窓を開けてくれている。こうした気配りができる子ども達がいてくれることがうれしい。
 
瑠璃渓遊歩道到着

時間通りに瑠璃渓へ到着。班長が張り切って整列を指示している。紅葉まではあと一歩という感じだが、秋の渓流は美しい姿をすぐに見せてくれた。子ども達もバスの中とは違う輝いた顔を見せてくれている。一列でいくつもの滝や渓流を見ながら進んでいくと、観光に来ている人たちと出会う。自然に出てくる「こんにちわ」の声は、気持ちがいい。歌まで歌い出す子ども達がいる。思わず担任のほほがゆるんでしまった。気分が良くなっていたとき、「弁当がない・・・」という小さな声が聞こえた。どうやら自然の家に直行した大きなバッグの中に入れたままにしておいたらしい。あわてて教頭先生に連絡、荷物の中から持ってきてもらうことにした。途中でトイレに行った場所は渓流に細い石の橋が架かっていて少しこわい。この端を渡るときも子ども達は子ども達はそれぞれの姿を見せてくれた。自分もこわいのにそっと怖がっているこの手を取ってやる子。高いところなんか平気でどんどん進んでいく子。こんなところでも子ども達の新しい顔が見られた。渓流の終点にある人工の滝の前で昼食をとる。ちょうど誰もいなくて、一番いい場所を独占。弁当を広げる。朝早くからおかあさんが作ってくれた弁当をほうばる。中には自分で作ってきた子もいるらしい。さすが5年生、自分のことを自分でできる子が増えてきた。食べる量も増えてきたせいか「先生食べてー」と行って来るが減ったのは残念。

自然の家へ
 
すぐにるり渓少年自然の家に到着。少し早めに着いたので、予定外の自由行動の時間。鹿の足跡やウサギの足跡があった広場で遊ぶ。みんなで遊ぶ喜びを感じている子ども達が増えている。「やもりみつけたでー」「おたまじゃくしがおるよ」という自然探求派もいる。こうしたのんびり過ごせる時間が子とも達には大切だ。入所式。楽しい職員さんの話にノリノリの子ども達、後で「元気で、とても明るい子ども達ですね」との職員さんのお褒めの言葉をいただく。でも返事に「ハイ」ではなく「うん」を使う子ども達が多いのが気になった。いよいよ部屋に入る。男子は二部屋に、女子は一部屋にはいった。3部屋とも20畳以上の部屋。男子は二部屋つづきにもできる。部屋割りで何か言うかと気にしていたが、あまり気にしていない様子。ほっと一安心。すぐに女子が男子の部屋を訪問。男子も女子の部屋に平気ではいっている。仲がいいのか?幼いのか?この見極めが難しい。
 
クイズラリー

なぜか毎年何班かが迷って時間がかかるクイズラリーを体験。ゆっくり時間がとれる分だけ出発までの不安は大きいらしい。せっかく磁石を持たせたたのだが子どもたちは全然そんなものは気にしないで山道を登っていく。早くやりきることがテーマの班。とにかく問題を解くことが大事だと思う班。山の中にいろいろな子ども達の怒号が聞こえる。疲れていて置いてきぼりになりそうになる子の叫び声。分かれ道で右か左かでの激論。クイズの答えを巡る紛糾。つい怒号や罵声が出てくる。熱中しすぎると、まわりのことが考えられない。今の子の特徴かもしれない・・。
途中のポイントで松井先生と教頭先生にジャンケンで勝つと飴が貰えた。どちらかの優しい先生は子ども達全員が勝つまでジャンケンをして全員に飴をくれたらしい。担任がポイントにいてたらきっと、勝った子にしか与えなかったと思う。どちらも経験することが大事。担任は最終班の後追いで全コースを回らなければならなかった。50前の老体には結構きつかった。3時間近く山道を彷徨ったあげく飲むジュースは格別の味がした。

 
5年生のいい面 足りない面

5年になって感じることは行動が素早くてきぱきとできる子が増えたこと。指示されたことや一つひとつの行事を確実にこなしていく力は着実に付いている。でも、その後・・・・・いつも思うことがある。
29人が集まると必ず誰かがの今指示したばかりのことを聞きに来る。担任が大声を張り上げないと集中しない。「せっかく頑張れるのに」との思いが強い担任は今日も大声を張り上げていた。
 
遊びを知らない子?

 今回の貸し切り状態での自然の家で活動では結構時間の余裕ができ、フリーで遊べる時間を持つことが出来た。カードゲームしか持たさなかったため、子ども達の遊び方がよくわかった。仲良しの子以外とは遊べない子、だれかが声をかけてくれるのを待っている子、積極的にみんなと関わろうとする子、そっとだれかに声のかけられる子・・。それぞれの個性が遊びの中でも見えてくる。テレビゲームのない生活の中でも楽しめることを子とも達は知ってくれたのだろうか。「おもしろくないから遊ばない子」から「おもしろい遊びを創れる子」になってほしい。
 

夕食そして歯磨き

食堂に並べられた夕食。どれを食べようか見定める視線が真剣。メーンは肉。でも意外と嫌いな子が多いのには驚いた。もったいないと思うのは僕が年をとったせい?。いつもだれかが準備していてくれるからマヨネーズやソースがなくても気にしないで食べ始める子。いなせな片肘スタイルだ。器をおいたまま口を近づけて食べようとする子。「お茶ー」と平気で叫ぶ子。食習慣の変化は時代の流れだとは思うがなぜかひっかかる。
しっかりとできるようになっているのに驚かされたのは食後の歯磨き。実に丁寧に行う。神経質すぎるぐらい。男女の別なく、習慣化されている。ただその後すぐに「先生 お菓子ないの?」「ないに決まっているやろ」の一言でかたづける。

そして夜の集い

子どもたちの林間学習の楽しみの一つ 「夜の集い」が始まる。
キャンドルキーパーやキャンドルキッズは古布で作った衣装で入場。厳かなキャンドルファイヤーだ。各班が趣向を凝らした出し物の準備を始める。一人一人が自分の役割を果たすために一生懸命努力している。どんな出し物にするかは班に任せたため、担任は口出ししなかった。みんな楽しそうな顔をしていたので、教師も大張り切り。教頭先生や松井先生まで特別の出し物を準備してきてくれていた。担任は時間が長くなりすぎないかと心配していたのだが途中から時間のことを忘れて楽しむことにした。担任も含め34人の全部の参加者が1つになったゲームやマイムマイムの踊りはとてもいい思い出になったと思う。

入浴             

銭湯に行かなくなって大きな風呂にみんなとはいるのは少し恥ずかしいようでだ。でも忘れ物はほとんどなかった。中では、すっかり温泉気分の子、ドボンと入ってそのままあがろうとする子、プールと間違えて泳ぎ始める子。いろいろな姿を見せてくれる。男子には「デジカメを風呂場にもってくるなーよ」と教師の動きを察知する子もいた。全員で背中流しをやったときの楽しそうな顔が印象的だった。米田先生によると女子の入浴時はプール状態だったらしい。

さぁ恐怖の夜

子どもたちにとっては楽しみな夜。教師にとってはいちばん怖いはずの夜が始まる。気分が高揚している子どもたちはなかなか寝付いてくれない。「家と違う枕じゃ寝られない」「電気全部消すの?」「寝相が悪いから人にみられるのがいや」等々不安を述べていた子ども達。密かに「枕投げをしようね」という約束をしている子もいたはず。でも、今までの経験からは信じられないことが起こった。11時を過ぎるとほとんどの子が寝ていた。寝た振りをして見回りがいなくなると起き出してトランプを始めようとするグル-プなどみあたらない。『疲れているから 熱だしたらどうすんのや』というこっちの心配を良く理解してくれていたのか、12時には完全に寝入って大きないびきまで聞こえていた。今回はゆっくり子ども達が寝入った後で風呂にはいることができた。なかなか担任思いのいい子たちだ。
 
朝の月

いつもなら騒がしいはずの朝5時、なんだか変だ。だれも起きていない。そーっと男子の部屋に行く。小さな声で「起きている子は、外に出ておいで」というと布団がゆっくり持ちあがってぞろぞろと出てきた。「起きてたけど、他の人に迷惑になるからじつとしていた」「だまってまっていた」等々の言葉。えらい。ついでに女子にも声をかけてみると出てきたのは数人。まだぐっすり眠っている。起きている子ども達と朝の月を見に行った。この時期に少年自然の家では5時半頃まで月や星がきれいに見える。明け始めた空に満月や星が見えるのは幻想的な世界だ。「なんでこんな朝早くから太陽なんか見るの?」「日の出見るんか?」といっていた子ども達もこの景色には驚いたようだ。「先生 あれ 星やろ」「こっちにも星あるで」と目を輝かせていた。
 
フラワーガーデンだ。楽しすぎて時間を忘れた?

釣りとローラースケートができるフラワーーガーデンが林間の最後。朝食をとり張り切って出発。トリムコースで元気に遊んだ後、釣りとローラースケートに分かれて活動を開始。付き添いの先生も若者組はローラースケート場、もう一組は釣場に分かれた。釣場では、開始直後に40㎝級の大ごいをつりあげた子が満面の笑みでポーズを取っている。ここはひとついいところを見せようとひそかに自信を持っていた担任のもくろみは、もろくも崩れ、その後は45分間の釣果0という時間が過ぎた。ローラースケート場から口うるさい子ども達の「先生 まだつれへんのー」の声を聞きながら、今度ここに来るときはローラースケートの方を担当しようと心に誓っていた。ようやく教頭先生が2匹目を釣り終了。ローラースケートの子ども達から「おかげで長いこと滑れて良かったわ」の声。無視して散策の開始を告げた。秋の花々が咲く庭園での時間を過ごし、いよいよ帰校。るり渓少年自然の家の職員全員に見送られるというありがたい見送りを受けた。・・・・。
 
やっと終わった。帰りの2時間は記憶がない。手話のビデオをかけていたはずなのに気が付いたら若手漫才のビデオに変わっていた。とにかく無事帰ってきたらしい。
コメント
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