今日は非常につらい出来事があった。
事務所の事情で同僚が辞めることとなったのである。
成長には個人差があるが、それを許容出来ない会社と、自らの仕事の精度を向上させようとしない社員。
確かに、両者が合わされば、結果は必然的に表れる。
うちの事務所は、設計の実務経験が乏しくてもやる気さえあれば、中途で採用することが多い。
わたしも、学校を卒業して一年間勤めた事務所を半ば喧嘩別れして、今の事務所に拾ってもらったようなものである。
とにかく、経験を積まなければスタートラインにすら立てないので、実務に関しては全力でやってきた(試験勉強はダメであるが)。
そんな自分と比べて、温度差は感じていた。
昨年秋から大きな物件をやっていたが、試しに図面を描いてもらったが、実務で使うには厳しい。
彼の担当する予定の図面だけでもA1サイズで40枚前後ある。
やってはいけないと思っていたが、仕事が終わらないのは問題なのでわたしが描いてしまった。
一度描いた図面を描き直させられるのは屈辱的である。
教育的観点から見ると、仕事を奪ってしまったわたしの方にも問題があるが、終わらないのでは仕方ない。
その物件もこれから確認申請を提出して、着工する。
竣工したら皆で見学に行こうと思っていたので非常に悲しい。
わたしも経験があるが、「必要ない」と言われるのはわかっていても辛いものである。
気丈に振る舞う彼の姿を見ていると、昔の自分を思い出し仕事にならなかった。
そんな彼に一言伝えた。
「少しでもやる気があるならチャンスをもらえるよう、所長に頭を下げるべきだ。」
と
お節介であるのは重々承知であるが、続けてほしいと願う人もいるということも知って欲しかった。
また、わたしや事務所の方の教育の在り方も真剣に考えるべきだと思った。
残された時間は少ないが、出来ることはしたい。