壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

そば屋には、なぜ○○庵が多いか?

2010年07月28日 | 見聞きしたこと
そば店には○○庵と「庵」の付く名称が多い。なぜか?

『蕎麦辞典』には、こんな疑問に対する答えも載っていました。以下、引用。

浅草芝崎町に明暦年間=十七世紀中頃、一心山称往院があり、院内に「道光庵」という庵室(寛延年間=十八世紀中頃)があった。庵主は信州松本の出身で、そば打ちの名人、参詣の檀家の人たちに、自慢のそばを供したのが評判となり、そば好きは勝手に仏日を案じ出して、そば振舞をたのしんだ。(中略)そば屋の中には、道光庵のように客が集まったらと、それにあやかる意味で、庵を用いる店が現れたというわけである。(以上引用)

注1/浅草にイメージが湧かない東京外の読者へ。浅草は、台東区内の地名。江戸時代に下町として栄えた町で、現在も繁華街です。

注2/「仏日」の意味が分からず調べたところ、仏が人々を感化することを、太陽が地上を明るくすることにたとえた語、とありました。でも、この文脈では、「イベント」がふさわしいですね。そば好きは勝手にイベントを考え出し、推し掛けては、そばの振舞を楽しんだ、というわけです。

何にでも、理由やいわれがあるんですね。

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1 コメント

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Unknown (ぐるぐる)
2010-08-02 16:24:09
ここまで書いたら「庵」の意味も必要でね。
1)草屋根の小さな建物。
2)僧侶が住む小さな建物。

「庵」の意味はこの2つで、「飲食を供する建物」という意味はそもそもない。なのに「庵」を使うのが面白いですね。
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