大学が目新しい学部を作ると、受験者数が増え、倍率が高まる。翌年は、高倍率を嫌って志望者が減り、倍率が下がる。ベンチャー企業に何か良いニュースがあると、株を買う人が増えて株価が高まる。高まりすぎると、実力以上の価格を敬遠し、売る人が出てくる。
この前、ある企業グループの再編を取材しました。かつては一社だけだったのが、分社化し、複数のグループ会社を作っていったという歴史があります。それで、今度はホールディングスを作り、その下に事業ごとに再編した事業会社をぶら下げるという建付です。取材したグループ会社の元経営者は、「経営にも揺り戻し現象があるのかもしれない」と言っていました。外部環境の条件によって、遠心力が働いたり、求心力を高めたりしなければならない、ということでしょう。
何にでも、振子現象があります。最近の中国の反日デモを見ていて、グローバル化はこのまま一直線に進むのかな? と、ふと疑問になりました。
行ったり来たりを繰り返し、いずれ落ち着くところで安定し、また右や左に揺れ出す。10~100年という年月で考えると、そういうことだと思います。いま歴史のベクトルは、行ったり来たりを強める方に向いており、落ち着く方には向いてないと思う。であるとすれば、「グローバル化の波に乗り遅れるな」でなく、「グローバル化の波が収まるまで静観せよ」なのかもしれません。グローバル化は、巷間言われるほど一気に進まないのではないでしょうか。
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