ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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「東京室内歌劇場の歩み」終了しました~!

2016-11-25 23:56:55 | コンサートのご案内&ご報告
「東京室内歌劇場の歩み PART 3」、無事終了しました~。

私が歌わせていただいたオペラ「ヘンゼルとグレーテル」(グリム童話より、Aヴェッテ・台本/フンパーディンク・曲)が、とても評判良かったようで、すごく嬉しいです

左から、ヘンゼル/前田美樹さん、露の精/津山恵さん、ヘンゼル/木村真稀さん、
眠りの精/里中トヨコさん、グレーテル/私、魔女/三橋千鶴さん

グレーテルの私が、眠りの精の里中さんに、眠りの魔法をかけられてる…!…

「フィガロの結婚」のスザンナも、とても楽しかったですが、場面として長く歌わせて頂いたのは「ヘンゼルとグレーテル」。
今回は、こちらの方が思い入れができたなぁ。
というか、私はこのオペラを、まだ1本通してやった事がなくて。
これを言うと、みんなに驚かれますが。えぇ、この見た目(子ども?)なのにね…

ただ、本当に大好きなオペラなんです。
元々、グリム童話に限らず、民話やおとぎ話、神話が大好きなので(だからバロック作品も大好き)それがオペラになったものは、そりゃあもう、大好きなんですわ。

このオペラの台本は、原作にある毒を抜いた分、それのみでは文学としての価値はなくなったけれども。
そこに、この音楽がついた事によって、安易なご都合主義メルヘンではなく、子供の真実の冒険譚、そして祈りの尊さを描いた、傑出したオペラ作品になったわけです。
この音楽には、この台本がふさわしかったように思います。

グレーテルの歌唱部分だけではなく、とにかくオーケストラがすごい。

大人たちに向けても歌ってるように思えてならない、眠りの精のアリア。
また、日本語の訳詞も、とても美しいんです。
「星が目を覚まし、遠い空より天使」
それに続く祈りの重唱の、何と美しいことか。

そして、露の精の、優しく明るい音楽。
微笑みさえも、チリンチリン、と聴こえてくる。
「よく知ってるよ、誰がお利口さんか」
この訳詞は、ヘンゼルとグレーテルだけでなく、この世の子供たち皆を、「お利口さん」と言って起こしてるように聞こえます。
だって、お日様は、皆に笑ってるんですから。朝露は、皆にふりそそぐんだし。
全ての子供への愛情が見えます。

そして、魔女の、長調の音楽の恐怖。
現代のホラー映画にも使われる手法が使われ、恐怖と笑いの表裏一体を、まさに体現するこの音楽。
魔女の音楽には、息を呑むような恐怖がそこにあります。

このオーケストラの素晴らしさ。
歌いながら聴こえてくる音楽は、とても楽しい。
なんて良い作品なんだろう。

舞台の下手袖に、おとぎ話の登場人物たち…里中トヨコさんの「眠りの精」、津山恵さんの「露の精」、三橋千鶴さんの「魔女」が集まってきて。
それを見た時、自分が幼い頃から大好きで読みふけっていた、あのグリム童話の世界に今いるんだ、とごく自然に思えました。

本当に、オペラ歌手は楽しい。

あ~
「ヘンゼルとグレーテル」1本やりたいわぁ

もちろん「ヘンゼルとグレーテル」だけでなく、他の作品も、お稽古で観ていて本当に楽しかった…!
個人的には「卒塔婆小町」(三島由紀夫・作/石桁真礼生・曲)が、お気に入り。

そして、御礼が遅くなりました。
朝から雪が降る寒い寒い中を、コンサートにいらして下さったお客様、本当にありがとうございました!!
またお会いできるのを楽しみにしています


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