ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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弱さの表現。

2009-09-26 23:50:41 | 歌のこと
前回の日記で書いた、Sさんと、お話していた時に、歌う時に何を伝えようと思われてるんですか、と質問されてしまいました。

そんな質問、今までされた事もなかったし、歌う時は、感覚が先行している部分が強いので、うーーーーん・・・となってしまい。
自分で、考え考え、答えたのですが。

ヅェルリーナを演じた時に感じた、誘惑に負けてしまう弱さ。
(尤も、彼女の場合は、私はそれを、ある種の強さだとも思っていますが・・・)

ルチアでは、自分で踏み出すことができない弱さ。彼女は結局それ故に狂ってしまうわけだし。

パミーナのときには、他者を責め、憎んでしまう弱さ。終わりに近いシーンでは恋人を責め、母親も憎んでしまいますし。
また、モノスタトスに対する軽蔑や嫌悪、というものはものすごいものがあると思うんです。

あ、どれももちろん私なりの解釈ですけどね

そこが自分の中では、歌いながら印象に残っている部分かな、と思ったので、

「どちらかというと、そのキャラクターの良い所を見せることよりも、弱い部分を見つけ出して、歌っているような気がしますね」
と、お返事しました。

すると、Sさんが、
「やっぱり!人間の弱さ、というのを中川さんの歌から感じることがあるんです。だから気になるのかもしれませんね」
と言われました。

人と接するお仕事の方なので、私などには想像もつかないくらい、これまで、人間のいろんな部分を見ていらしたみたいです。良い事も、悪い事も。
そんなSさんがおっしゃるには、

「他人を責めたり、憎んだり、自分自身は後ろ向きになったり・・・と、いうと、大抵の人はそういう部分を、直せ直せ、もしくは、隠そう隠そう、とするけれども、でも、それは人間にとって必ずしも直さなくてはいけない、存在してはいけない感情なのでしょうか。」

で、続けて言われるには、

「人の中に、弱さや醜いものはあって当然だと思うんですよ、そんな感情を全部ひっくるめて、人間ではないでしょうか。でも、その上で、他人には、そっと隣に寄り添っていけたらいいですねえ。」


うーん・・・なんだか・・・深い・・・

私の文章では、うまく表現できないんですけどね


ただ、私の歌でも、伝えられたことがあったのかな、と思うとうれしくなりました。
これからも、人間の弱さ、そんなのを少しでも伝えられたらいいな。
改めて思います。

何だかとりとめのない日記になってしまってすみません





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