ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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ドイツから、先生襲来!

2009-04-12 23:35:16 | ドイツのこと
ドイツでお世話になった先生が急に来日なさる事に

あまりに急な話だったので、日にちを合わせ、あわてて曲を用意し、ピアニストに頼みこみ、さあレッスンにレッツゴー!

その方は、ヨーゼフ・ロイブル先生。ドイツのバリトンの先生です。
私がまだ桐朋学園の研究科の学生だった頃、学校で行われたロイブル先生の公開レッスンを受講させて頂いたことがきっかけで、お声をかけて頂き、短い期間でしたが、ドイツのミュンヘンで私の面倒を見て下さり、大変お世話になりました。

そして時々日本にいらしては、日本人の生徒のレッスンをして下さるのです。
で、私も例の如く参加もちろん、二年前に来日された時もレッスンして頂きましたよ。

久しぶりにお会いした先生は、なんだか肌つやがよく、ちょっと太って、とってもお元気そうでした


さて、レッスンが始まった途端、
「コロラトゥーラの曲はないのかっ?うーん、もっと別のコロラトゥーラは?うぅーん、コロラトゥーラ

・・・お好きなんですねえ、コロラトゥーラが・・・(笑)

あまりコロラトゥーラの曲を持って行かなかった私・・・(コンスタンツェとツェルリーナしか用意していかなかった

今回はレッスンを二回お願いしているので、
じゃあ次のレッスンで、ツェルビネッタをもってきます、と言ったら

「ツェルビネッタは特殊な曲だから、あれ以外にもう一つコロラトゥーラ・・・じゃあ、『セビリアの理髪師』の『今の歌声は』をもってこいっ」

否も応なく、はいはいはい、とピアニストさんにも目くばせ。

さて、その時のレッスンで歌ったツェルリーナは必ずしも軽くないので(重くはないのですが、ポジションが低いんですよね。)、もっと軽い曲はないのか~?と言われ。
たまたま私が持っていたモーツァルトのアリア集をパラパラと見た先生、

「じゃあ~スザンナっ」

と、アリア集をピアニストに渡して、ピアニストはあわてて一度も合わせた事もない曲を、

ぱぱぱぱぱんっ

と弾き出してくれる。

そして私は、一度も人前で歌ったことのない曲を、レチタティーボ(歌が始まる前についている、セリフのようなものです。)から歌い始める羽目に。
そりゃあスザンナ。
学生が必ず歌う曲。もう歌い手にとっては課題曲と言ってもいいくらいの曲です。

しかし、しかしですよ?
私、本番で歌ったことは一度もなく、そして最後に歌ったのは一体何年前か・・・という曲。

レッスンとは言え、いきなり楽譜なしで歌うのはなかなかどうしてスリリング・・・

脳みそをフル回転させて、必死で歌詞と内容を思い出しつつ歌ったら、
いやぁ~、意外に歌えるもんなんですね~!!全然間違えずに歌えました!

ふふふ、先生のお好きそうな曲を用意してこなかった私も悪いですが、その場で突然言われた曲を暗譜でバッチリ歌えました。
まあ今回のレッスンは引き分け、といったところでしょうか(勝負じゃないんだから・・・)

さあ、次のレッスンはあさってです。

今度は曲も決まっているし、負けませんよ、先生っ(笑)

しかし、大変なのはピアニストさん
内心は焦っているのかも知れませんが、顔色一つ変えずに新しい曲を用意してくれてます。さすが…
ピアニストのSちゃん、ありがとう・・・



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