ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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万霊節

2009-01-24 12:49:25 | 歌のこと
別にダイエットだけしているわけではありません・・・ちゃんと歌も歌ってますよ。ほんとに。

三月の頭が本番の、Rシュトラウスの歌曲「献呈」と「万霊節」の二曲。
両方とも有名な歌なので、もちろん知ってはいましたが、ちゃんと歌ったことはありませんでした。
特に「万霊節」は、きちんと勉強したことがなかったので、楽譜を見ながら、内容も改めて・・・と、ドイツ語の詞の意味を調べつつ、真面目にCDを聴いてみたりしたのです。

と、その途端。
な、な、涙が・・・・!!!涙が止まらないsign03止まらないsign03
もーうこれが、泣けて泣けて泣けて・・・・・・crying crying crying
なんて、なんて切ない歌なんだ・・・

万霊節というのは、日本でいうところのお盆のようなものらしいです。キリスト教で、死者のために祈る日。亡くなった人への特別な想いは世界中共通ですね。ドイツでは、お墓にお花を飾ったりするそうです。
「5月、5月」と歌の中で何度も繰り返しているので、その万霊節は5月なのかな、と思っていたのですが、調べてみると、11月2日とのこと。つまり、「5月」というのは、この歌の中の主人公にとっての、特別な時だったんでしょう。
主人公は男性のようで、亡くなってしまった恋人、もしくは奥さんに対しての想いがひしひしと伝わってきます。
歌の最初は、亡くなった人に対して、もう諦めにも似た静かで落ち着いた感情で始まっているように聞こえます。それが、後半にいくにつれ、死んでしまった相手への、どうにもならない感情があふれ出して止まらなくなっているように聞こえるのです。そして、そのあとに続く、哀しくて静かな美しい後奏・・・本当に美しい・・・
1分半かそこらの短い曲なのですが、もーう、涙が止まりません。いや、実を言いますと、これ書きながらちょっと泣けてきた・・・sweat02

この演奏会の詳細は → ここをクリック ♪ 】
入場無料です。入場整理券の申込みは2月13日必着coldsweats02締め切りですので、ぜひぜひいらして下さいね。
 
本番は泣かずに歌います、もちろん。
...でも・・・オケ合わせの時くらいまではちょっと泣かない自信がないです・・・coldsweats01
今のうちに思う存分泣いておこうと思います(笑)

以下が「万霊節」の訳詞。

香りの強いモクセイ草はテーブルの上において
今年の最後の赤いアスターをこちらへ持っておいで
そしてまた、愛を語ろう
あの五月の時のように


さあ僕に手を出して、そっと握っていたい
人に見られても僕は気にしない
かわいいまなざしを少しでいいから向けておくれ
あの五月の時のように

今日はどのお墓にも、いいにおいの花がいっぱい
年に一度の、亡くなった者のための一日だ
僕の胸においで、そうして君をまた抱いていたい
あの五月の時のように