くじびき はずれ の 見た世界

シニア初級者というのに世間知らず。
少年のようなつぶらな瞳?
そろそろ大人の記事を書きたい毎日です。

現代の大原女

2011年06月06日 22時22分25秒 | 下町グルメ

♪ 京都 大原 三千院 ♪  『おんなひとり』の歌の一番の歌詞で知られる 
京都市左京区大原来迎院町にある天台宗の三千院

賀茂川上流の高野川に沿って鯖街道と呼ばれた若狭街道が走り、東を奥比叡と大尾山の麓で小さな盆地にある、のどかな田園風景が広がる場所にひっそりと、杉木立と枝垂桜・紫陽花・紅葉そして雪と四季折々の美しさを誇る寺だ。

その周辺を大原の里と言い、かつては特産物の薪(炭)、近代以降はそこの作物や花などを籠に入れて頭に乗せて、京の町まで約12Kmの道を降りて行商を行った女性を 大原女(おはらめ) と言う。

少し早い目の時間帯に倉庫へ戻れたので、奥のほうでゴソゴソと片付けや次の仕事の準備をしていると、何処からとも無く女性の声で「こんにちは~」と二度ほど聞こえてきた。
近所に普通の民家があるので、そこを訪れた人が声をかけているのだと思ったが、妙に近くで聞こえたような気がして入り口付近へ目をやると、コチラを覗き込んでいる人が居た。

目が合うともう一度 「こんにちは~」と微笑んでいる。
無粋な倉庫兼作業場に似合わない若い娘さんだった。
『ん? 何ですかぁ』と表に出て行くと、肩から保冷バッグを提げ、もう片方の手は保冷キャリアーを引いている。
なんだか海辺の片田舎から魚でも土産に出てきたような雰囲気で佇んでいる。

 『どうしました?』と訪ねると
「京都・大原の里からの和菓子を売り歩いてるんです」と。

参道入り口に本店を構えるうす塩大福で有名な豊寿庵がある。
そこの商品を行商して歩いているのだという。

20代らしい女性がいまどき珍しい商法があるものだと思い、いろいろ聞いてみるとホームアンドオフィスデリバリー(訪問販売・職域販売)というのだそうだ。
この女性は大阪の会社から奈良地域を定期的に売り歩いているそうで、電車で来てはその駅周辺を回っているという。
大阪市天王寺区にある『食いしん坊市場』(有限会社リスペクト)の方でした。ここは、「Monthly Sweets」と題して、日本各地の隠れた美味しいスイーツをより多くの方々に知って頂きたく、月に1度ペースで企業を中心に訪問販売をしているとか。1日50セット程の商品を持って、大阪・奈良・和歌山を回っているそうです。 ちゃんと領収書もくれて、裏には訪問販売のクーリングオフについての記載もありました。

スウィーツ好きの匂いがしたのだろうか? 何種類かのパックを見せられて
うす塩大福・豆・つぶあん×2個と うす塩大福・こしあん1個 の3個パック 560円
みたらし団子(内蜜)4個と 胡麻みたらし4個の 8個パック 630円
を 買ってしまった。 (^_^;)
          

きっと相方に叱られると思いきや、「なかなか美味しいやん」と。

どれだけ売れるのか分からないけれど、交通費使って人件費叩いてどのくらいの利益が出るのか?
それにしても根気と断られてもいじけない精神力を持ち合わさないと、こんな興味本位の授業料だと思って購入するオッサンばっかりやないと思うんだけど。

ちょっと ヤクルトの販売方法に似ているかな? なんて思いました。