先日近所の市民病院のセンセの紹介状を携えて地元の県立医大付属病院に行った。
疾患があってというわけてもなく、経過観察と言うことで市民病院に5年の間、半年に一回観てもらっているので念のためにである。
白い巨塔の世界があるかないかは別としてずいぶん近代化されて、全てその日の受付番号で管理されていて各科の受付に番号を告げる。
複数の診察室の前に19インチぐらいのディスプレイがあり、飛行機のベルト脱着サインとよく似た「ポン!」と音がしたと同時にディスプレイに受付番号が表示されて、その番号の人が部屋に入るシステム。
検査室へもその番号のカードを見せるだけで、オンラインで検査項目の連絡が行っていて機械的に検査される。
何科にかかっているかはどうご想像されても構わないが、周りの方の話をするので『心の病』でないことだけは言っておかないと、頭の回路が尋常ではない僕と一緒にされては周りの方に迷惑がかかるので明確にしておこう。
紹介状とデータを詰め込んだものを持って行かされたので、特に何もコチラから説明しなくても良いものだと踏んでいたら、事前の問診と言うのがあった。
身長・体重から始まって過去の病歴・手術歴、排便・排尿の回数・血圧、親族の成人病などについても事細かに聞かれた。
インターンなのだろうか?なかなかの美人先生二人とイケメンセンセの3人に。
腎臓病や糖尿病の話になって「甘いもの、辛いものは好きですか?」と真面目に聞かれて、『下町グルメなもんで両刀遣いです』とチャラケてみると、やっと関西のノリで笑顔で食いついてきてくれた。
『ちょっと味の濃い目のほうがおいしいですやん?』
「なるほど! そら下町グルメやわ (^◇^)」と適度なフェロモンを出してくれている女医センセが。
イケメンは一言も語らず黙って聞いていた。
きっと「このオッサン、タダ者や無いお笑い系やな」しでも思っていただろう。
さあそれから検査に3ヵ所と昼食を挟んで2時間後、「ポン!」の音と自分のナンバー表示で診察室に。
入るなり「くじびきサン、ちょっとソコに座って待ってください」とノタモウた准教授ぐらいの医師が奥で紹介状に添付されたデータと今日の検査結果を見比べて、「ほんまかいな? ウソやろう?」などとヒトリゴトを言っている。
『えっ?まさか僕、地球人のデータや無いの?』と不安になる。
ここ最近、自分でもひょっとしたら宇宙人やないかと疑りかけていたところだからだ。
「くじびきサン、検査結果に何の異常も出てこないんですけど。 薬も何も処方されていなくて勝手に数値が下がることなんて有り得へんのですけどねぇ」
『(ほらね?やっぱり最先端の宇宙人なんや!と思いつつ) そうなんですか?』
場面は変わって待合室風景
疾病の本人に付き添って来ている人の無神経ぶりがやたら耳に付く。
旦那に付き添ってきている配偶者なのであろう
妻「○○ってどんな感じなん? しんどいのん? 気分悪いのん?」と興味シンシン。
外見上は至って健康そうな旦那は、大きい声でそんなこと聞くなよって苦い表情。
夫「言うても分からんねやから聞くなよ」 とボソボソと。
男「紹介状もテータも持って来てるのになんで一から問診やねん! ぜぇーんぶ検査してその結果も持って来てるのに、また一から検査すんねん!?」とぼやき仕切り。
思わずウンウンと頷きかけたら
女「せやかて今日のほうがもっと悪なってるかも知れんやん?」
男「お前、ワシが悪なってるほうが嬉しいんやろ?」
女「何でそんなこと言うのん? 心配してんねやんか!!」
待ち時間を想定して持ってきた読みかけの小説よりオモロイがな。
いずれにしても連続して2~3日通ったりしたら間違いなく宇宙人になれそうな
大学病院と言うところは奇妙な空間のプレイスである。