九州阿蘇宮の神官(ワキ)が播磨の国、高砂の浦にやってきた。
春風駘蕩とする浦には松が美しい。 遠く鐘の音も聞こえる。
そこに老夫婦(シテとツレ)が来て、木陰を掃き清める。
相生の松によせて夫婦愛と長寿を愛で、人世を言祝ぐ大変めでたい能である高砂。かつては婚礼の席でよく披露された謡である。
今日訪問したお宅の耳の遠くなった翁と元気な嫗、嫗が高いところにある棚にある物を乗せようとすると
翁「危ないからせっかくこの方が居てくれるのだから頼んで乗せてもらいなさいよ」
嫗「大丈夫ですよ、いつも私がやっているじゃありませんか」
翁「とにかく危ないからやってもらいなさい」
嫗「いつも私がやっていて貴方は一度もやってくれていないのに
今更そんなことを言わなくても大丈夫ですよ」
ワシは足が悪くて台の上に立って物を乗せることが出来んでの。
だからいつも私がやっているじゃありませんか。
いつもはワシがやっているんじゃがな。
ウソをおっしゃい! いつも私が台に乗ってやってましたよ。
貴方なんて一度もやってくれたことが無いわ。
(このあたりは全く聞こえていない翁)
ワシがいつも台を押さえてやっているんじゃよ兄さん。
\(◎o◎)/!なんと! 台を押さえてもらえと言う事?
そんなこんなで結局僕が棚の上に乗せてはあげたのですが・・・