一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

いつもここから・・・「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」

2006年10月18日 | 禅・仏教
「生(しょう)を明らめ死を明らむるは仏家(ぶっけ)一大事の因縁なり」。

道元禅師『正法眼蔵 諸悪莫作巻』の言葉。

曹洞宗の所依の経典、『修証義(しゅしょうぎ)』の一番最初に出てくる言葉である。

<意訳>
「われわれが生まれて死ぬという、この真実を明らめることが、仏法者のもっとも大切な問題である。」


われわれは、今、ここに、生きている。

無限の関係性の中で、生かされ、生かし、生きている。

そして関係性は変化しつつ、必ずや現象としての「死」を迎える。

しかし、それは「終わり」、「消滅」ということではなく、現れの変化に過ぎない。


今、ここに、生きているということ。

そして、いつか現象としての「死」を迎えるということ。

その意味を明らめる。

いつか死ぬこの命は何のために生きるのか・・・

その意味を一生かけて明らめるということ。

さらにこれを進めよう。

その意味を一生のあいだ明らめ続けるということ。

「このために生きる」という生きかた。

それは、はじめは分別知であろう。

だが、次第に仏行が自己に浸透していく。

すると、生きているということの中に「生死」の意味が顕現するようになる。


「生(しょう)を明らめ死を明らむるは仏家(ぶっけ)一大事の因縁なり」。

いつもここから。

つねにここからはじめたい。


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