一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

エロスの夢

2006年08月08日 | アート
ポール・デルヴォー 〔骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書〕

河出書房新社

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魂が震えるというほどではないが、デルヴォーの絵は私の心の深層の一部分に、ある種の確かなインパクトを与えてやまない。

それは瞬間的に心の内奥をフリーズさせるような衝撃。

同時に居心地が良いような悪いような、ソワソワとした落ち着かない気持ちにさせる。

彼の描く裸の女性たちは、すべてを受容するかのように惜しげもなく美しい肢体をさらけ出す。

完全に無防備である。

だが、彼女たちの表情からは感情を読むことができない。

無色透明。

無機質。

無抵抗でありつつ、ほのかに誘う。

永遠に時が止まった空間において彼女たちは体温のない冷たいエロスを発散させている。

果てしなく沈黙する、スタティックなエロスの世界。

シュルレアリスムを含んで超えた、デルヴォー独自の芸術表現がそこにある。


教父聖アウグスティヌスさえもエロスの夢に悩まされたと聞く。

男性なら誰しも身に覚えのあること。

デルヴォーは、「エロスの夢」をテーマにすることで、深層意識へのインパクトを試みたと言っていいだろう。

だが、それはあくまで男性側の視点。

果たして彼の絵は女性にも理解しうるものなのだろうか・・・

余談だが、最近なにかにつけ「エロ」を付けたがる風潮のようだ・・・

「エロカッコイイ」とは倖田來未のこと。

「エロボ○ズ」と呼ばれないよう注意せねば・・・

いやすでに一部で言われてたりして・・・トホホ


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