タオバオの3年間にわたる販売を通し、タオバオにとどまらず中国のEC事情についてかなり理解が進みました。 中国ECで販売されているものは課題も多いのですが、十分に日本で使えるものも多くあります。その為、中国ECからの仕入サイトを構築しました。 600程の商品を参考に掲示し、それぞれにコメントを付けております。中国のEC事情も良く理解できると思いますので、ぜひご覧ください。
「中国ECサイトの仕入代行をやろうと考えているんだ」
と何人かにご相談した時、
「今さらあなたのやることじゃないでしょ!」
とか
「もう中国から日本の時代じゃないじゃん!」
とさんざん言われました。
うーん、確かにタオバオの仕入代行業者の方ってたくさんいらっしゃいますし、正直面倒な割に対して儲かるとは思えないし(すいません、上手くいっている方もいらっしゃるそうですが)、ということで3年前に上海に戻った時にも、この形態は全く考えていませんでした。
でも。。中国のEC業界ってどういうものか、タオバオってどういうものかってのがかなり見えてきて、当然ながらタオバオの大手サイト運営者ということで、嫁のあとをくっついているだけですが、タオバオ本体だけじゃなく上海の日本商品を扱うベビー用品大手サイトほぼすべてと知り合いになり、まったく業種違いのアパレルさんや、布団やサン、車の部品屋さんたちともお友達関係になってきました。あ、みんなサイトはクラウン以上の大手店舗です。まぁ日本でも楽天に出ている大手サイトは業界問わず色々お付き合いが出るでしょうが、上海だっておんなじです。同業に関しては別途リアル店舗経営者も含め、一部商品卸してチャネル化進めていますし。
でまぁ、いろいろ見聞きし、実際にタオバオやらほかのB2Cサイト見て思ったんです。
中国の人件費上昇ってすごく騒がれているじゃないですか。日系企業でもいたるところで問題起きていますし、知り合いの中国人も、日本人がうらやむ給与もらっている連中たくさんいます。でも、僕らも、僕らの仲間の大手タオバオ店も。。給与安いっす。まぁ質の高い人は少ないのは事実でしょうが、僕が過去いた大手日本企業に勤務している連中と比べても、少なくとも上海の女の子なら同等かそれ以上の能力(やる気というべきか)子が結構いる。男はいまいちのが多いんですけど。で、給与安い。
学歴格差が日本より遥かに高いからなんですよね。だいたいサラリーマンがやる程度の仕事って、大卒も高卒も大してパフォーマンスは変わらないのが実際のところじゃないでしょか。だから、一流校出身でエンジニアなんて言うと上海は強烈に高い。加えて英語や日本語求めりゃこれも高い。でも中国語だけなら??
特殊技能が無きゃ未だに安いでしょ。そういっても月3-7万円位の範囲ですので極端に安くはないですが。まぁ職種によるんですけど、売り子系や職人系は異常に安い(職人系は日本が異常に高いんですけど)。
でもう一つ。。物まね世界ってこともあるんですが、とにかく競争が激しい。何か先行してもすぐまねされる。偽物出しやがる。で、すぐ値段で競争しやがる。メーカーから小売りまで、ECは最先端だけどリアルだって、すべてが薄利多売の世界。規模で利益を出す金融のような流通業界。
じゃ誰が設けてるの?なんで金持ちそんないるの??
て当然思うんですが、金持ちって、まずは不動産持ってたやつ。10年で不動産価格10倍近くになっているんじゃないでしょうか。どんな奴でも昔不動産持っていたやつは金持ちになっている。手持ち不動産高くなったら銀行が金出して2つめ、3つめのマンションもっているのはざら。あとは、国営企業の中で銀行とかキャリアのような独占企業形態のサラリーマンと役人。給与もそこそこの上、裏の副収入がすごい。25歳こえると同じ年齢の日本のサラリーマンより実際には高い人多いんじゃないかな?まぁ、僕だって3年前に売った家が今じゃ2.5倍の価格になっていて、この3年間四苦八苦商売なんかしないで遊んでいたらよかったって、嫁と苦笑いしていますから。。それこそVWじゃなくてBMかベンツ楽勝で買えたんですよね。
まぁ、良かれ悪しかれこういう世界で戦っていますし、まだまだ戦い続けますが、ふっと思ったのは。
「おー。中国年々傲慢になってうっとおしくなってきているけど、これならまだまだ利用できるジャン、しなきゃ損ジャン。何も売ることだけにこだわる必要ないじゃん」って事。
まぁ今後何年続くかわかりませんが、高品質を求めないものなら中国製品はまだまだ安い(高品質のものは多分現状皆無)。様々な日本企業が中国で調達して日本で売ることを商品、サービスで行っていますし、プロセスは結構大変だと思うんですが、僕の周りには
・PC周りや携帯周りは、メーカーから買った価格の10倍が日本の量販店価格
・アパレル系は言わずもがな。在庫の押し付け合いで、押し付けられたOEM先がしょうがなくタオバオで売っている。(ひどい場合は社員とOEM先がつるんで流している)。
・僕の倉庫の目の前の汚い印刷屋で日本語のポップ広告を印刷している。日本の価格は知らないけど彼らのもらう金額は偉く安い。やっぱ10分の1かな。彼らへの発注者は中国企業。その中国企業へ日本企業上海法人が発注。当然エンドユーザーは日本で発注と、3段階くらい階層ができてコストアップになっている。
・同じくサービス関係。日本で最近出て流行っている、イベント関連なので単価は2万円とかとっている。でも実態は100%中国に下請けに回している。まぁサービス関連は、実は他にも大穴が沢山ありそうですね。だいたい日本でもメーカーに比べて緩い業界ですから競争が甘すぎて恩恵こうむっている気がする。
・ノベルティ関係の、100円ショップやら、大手はともかく細かいロッドになると誰かが日本と上海で二つ仲介が入っている。
・日本でアマゾンでもの買うと立派な箱なんですが、ヤフオクで買ったらただの袋とプチプチってザラ。僕らの中国での梱包の方がもっとしっかりしているぜ(まぁ、それでも鉄の缶が壊れる恐ろしい荷扱い)。梱包材量の価格は?日本なんでこんな高いの?分別ゴミあれだけ細かくやっているはずなのに。中国じゃ再生資材は昔の日本みたいに売れるんですけどね。
でまぁ、そんな中間プロセスできるものはとっぱらったらどうかな?って思ったんです。やってみると品質管理とかにかなりコストがかかるだろうとか、手間暇は怖いんですが、そこを克服できれば面白いのではないだろうか。
てことで、まずはECサイトの仕入代行という形で初めて、いろいろトライしてみようと思います。
日本からの輸送費が、サイトに掲示しているのはまだ高いです。EMS料金も年間一定ではなく月ごとに割引がきまるそうで、今の表は結構高い時期のままなんですが、上海に戻ったら詰めて改定します。
このサイトたくさん商品紹介していて、海賊版とかマジコンなんてやばいものも参考に載せちゃっています(マジコンまだ日本でもサイトには載っていますね)。でもよくよく見るとあれ、これはいけるかなってものがあると思います。ヤフオクと価格比べてプレミアムがヤフオクでついている、まずは偽物じゃないだろうというものも見つけました。まぁ、もしかしたらクレームつく可能性も高いんですけど。
で、商売じゃないんですが上海にいることから、日本やドイツにいる知人から、これ買ってと言われて買って送ったものも結構あるのですが、これはサイトには載せていません。また、おそらくタオバオ仕入ヤフオク販売で良く使われているだろう商品に関しては意図的に外しています。まぁこの辺、コンサル業務関連で影響なしとは言えないので、外した次第です。
でも、既にタオバオ仕入ヤフオク楽天実店舗販売している方、あと今からやろうとしている方、まぁ気軽に問い合わせてみてください。日本で小売りをやっていないので、単なる思い込みの部分もあるでしょうが、この辺はいけるんじゃないかなというものは自分でも幾つか見つけています。
でも日本向けに関して、手数料とか安さで勝負はしません。ノウハウで勝負しようと思っていますので、どっかで今の手数料とか為替レート(珍しく1元13円にしています)もあげちゃうかも。安いだけなら中国人の運営しているサイト幾つもありますよね。個人的には日本で販売力のあるパートナーが欲しいんですね。僕らは中国向けの新事業もいくつか準備を進めていますので。
まぁ嫁が許せば僕が日本に戻って売っちゃうかもしれませんが。。
あ。。日本のネットや個人輸入規制関連の最近の情報に疎くなっていますので、新規炎に問題がありそうな商品があれば教えてください。確かマジコンは輸入禁止。日本の楽曲の海外版の輸入もなんか問題があったと思うのですが、そのまま載せました。だってアマゾンドットコム中国見てくださいよ。驚きますよCDやDVDの価格。偽物じゃなくて正規版のはずですから、アマゾンのは。
キャラ物も日本と中国で版権料がかなり差があるはずで、同じものでも価格結構違います。そういう商品、代替日本市場のみとか、中国市場のみ販売して良いとか書いていますけど、並行輸入でもまずいんですかね?
アリババのジャックマーさんの言葉です。
タオバオには偽者が横行していると言うがそんなことは無い。自分が香港で買ったシガーケースは20万円だったがタオバオでは1万円で売られている。同じく10万円委譲するコインも5千円で売られていた。調べたら本物だった。
これが中国人の考え方ですし、ブランド品とかキャラ物は実態としてそうなっているでしょう。この考え方は日本では異論ができますが、高級ブランド品をアメリカから個人輸入するのと大きな違いはないんじゃないか?そういやアメリカのアパレルなんて日本同様大半メイドインチャイナじゃん、ドイツの高級おもちゃだってメイドインチャイナで日本のお店でも中国語のラベル張ってるのあるじゃん、と思う私は中国に毒されてしまっているのでしょうね。
まぁ、とりあえずはやってみないと、と中国人的な楽観さで始めます!
でも、怖いのでとりあえず中国法人名で運営するところが、少し逃げが入っているんですが。。修正しながら日本法人作って移管します。