~子供手塾師会より~
8月の手塾師会・子供講座は、興克樹さんを講師に迎えての「海の生物」のお話。
このブログでも、興さんからいただいたニュースを何度か紹介しているが、とにかく奄美の海の写真・映像といえば、興さん。オニヒトデの駆除にサンゴの研究、魚、クジラ、ウミガメ。
奄美の海のことならこの人にお任せ!な方である。
今回の手塾師会も、子供だけでなく大人も面白そうだな~♪
さて、会場の「奄美海洋展示館」に到着し、時間になると目の前に出されたのは海水の入った水槽。そして、中には生きたサンゴ。
そこに取りいだしたるは、サンゴの天敵オニヒトデ!
ああ、見た目も鬼のような憎いヤツを水槽に...オニヒトデは、サンゴを食べるだけでなく、人間にとっても有害だ。ご覧の通りの無数のトゲ。
触るだけでも痛そうだが、その上、毒があって刺されたらもう大変!痛いだけでなく、時にはハチに刺された時同様のアナフィラキシーショックを起こしてしまい、命にすらかかわるそうだ。ああおそろしや。そして、そんなオニヒトデを、人の手で地道にひとつひとつ取り除いているのが現状だそうだ...
こいつを水槽に入れると、その動きの早いことには驚いた。
裏側には、タコの吸盤を小さくしたようなのが、これまた無数にあり、それを使ってひゅ~とあっという間に移動する。サンゴの上に覆いかぶさり、いざ食べん!という状態に。
この、硬そうでゴツゴツしたサンゴをどうやって食べるかといえば、オニヒトデの口は体の裏側真ん中にあり、そこからなんと胃袋を外側に出して、サンゴを包み込む。そして、そのまま消化してしまうのだそうだ。うへー。
胃袋を体外に出すとは...いやはや、世の中本当にいろんな生き物がいるものだ。
必死に生きるオニヒトデには申し訳ないが、君は完全に悪役だ。ゴキブリや蚊と同類で、我々には目障りな存在でしかない。貴重なサンゴを食べられては大変。
...と、いうわけで、オニが胃袋を出して食べる前に、さっさと水槽からサンゴを出した興さん。サンゴ君、ヒヤヒヤさせてごめん。
そして、お次に登場するは、今度はオニヒトデの天敵、ホラ貝様!
そう、あのボーーー!と低い音を出す笛となるあのホラ貝は、オニヒトデを食べるのだ。
食事目前のサンゴを持っていかれた直後に、天敵ホラ貝を入れられたオニヒトデ。天国から地獄へまっさかさま。
でも、万事周到に用意したお料理番組ではないから、ホラ貝も都合よくすぐにオニヒトデを食べてはくれない。
しばらく眺めて、やっと貝から手(足?)を出してくれたものの、食べる様子が無いので、講習会は別室に移動しで映像を見ながらお話を聞くことに。
その間、ホラ貝にはゆっくり攻めてもらいましょう。
映像体験ホールに移動して、興さんの撮影された写真やビデオを見ながら色々なお話を伺った。
以前、このブログでもご紹介したが、今年は大浜海岸沖でも結構クジラを見ることができたことや、奄美諸島で撮影された珍しい海の様子の数々。
その他、統計的な話まで色々なことを伺うことができた。
...さて。お話が終わり、水槽に戻ってみると、
うひゃー!食べてる食べてる!ホラ貝がオニヒトデを。
オニヒトデのサンゴの食べ方も、お話を聞くまで不思議だったが、ホラ貝のオニヒトデの食べ方もこりゃまたすごい。
あのトゲトゲの鬼っ子をどうやって?と思いきや、ホラ貝はなが~い口を出して、オニヒトデの唯一柔らかい口部分(=胃袋が出てくる柔らかい体の裏側真ん中)につっこみ、ちゅーちゅー中身を食べてしまうのだそうだ。
うぅ、これまた、口に口を突っ込み、体の中を食べつくすとは、ホラ貝もただの笛ではなかった。
←よ~く見てみたい方は、
クリック&拡大
(^^;;
貝殻を目当てに、人間がホラ貝をたくさん採ってしまったから、オニヒトデは天敵がいなくなり増えてしまった...
と、いう認識は、間違いだそうだ。
ホラ貝は、オニヒトデを食べるとはいっても、せいぜい1週間に1個程度。(調べてみると、ひとつ食べると1週間消化に時間がかかるということらしい)そんな程度では、とても現在のオニヒトデに対して対抗手段とはならないそうだ。
(だから、安心してホラ貝を採りましょう!ということではないけれど。)
いやぁ、珍しいものを見せていただいた。
たとえダイビングして、海の中にもぐったとしても、こんな透明の水槽ではないから、食べているのを裏側から見るということはまず不可能。このようなことが、海の中では繰り広げられているとは...
そんなわけで、サンゴはすぐに助けられたものの、悲しき鬼っ子は、ホラ貝の1週間分のお食事となったのだった...(;_;)
ああ、面白かった。やはり、このオニヒトデVSサンゴ、オニヒトデVSホラ貝を見られたのはすごい。
また、私はブログで拝見したので(ふふ、知ってる知ってる♪)と思ってみていたクジラの映像にも、会場の親子皆感嘆の声を上げていた。美しい海のサンゴの様子やクジラなど、奄美の海の素晴らしさを堪能できた。
それに、今奄美のサンゴ礁がどれだけピンチな状況に陥ってしまったかも...
興さん、貴重なお話&映像&実験をありがとうございました!
8月の手塾師会・子供講座は、興克樹さんを講師に迎えての「海の生物」のお話。
このブログでも、興さんからいただいたニュースを何度か紹介しているが、とにかく奄美の海の写真・映像といえば、興さん。オニヒトデの駆除にサンゴの研究、魚、クジラ、ウミガメ。
奄美の海のことならこの人にお任せ!な方である。
今回の手塾師会も、子供だけでなく大人も面白そうだな~♪
さて、会場の「奄美海洋展示館」に到着し、時間になると目の前に出されたのは海水の入った水槽。そして、中には生きたサンゴ。
そこに取りいだしたるは、サンゴの天敵オニヒトデ!
ああ、見た目も鬼のような憎いヤツを水槽に...オニヒトデは、サンゴを食べるだけでなく、人間にとっても有害だ。ご覧の通りの無数のトゲ。
触るだけでも痛そうだが、その上、毒があって刺されたらもう大変!痛いだけでなく、時にはハチに刺された時同様のアナフィラキシーショックを起こしてしまい、命にすらかかわるそうだ。ああおそろしや。そして、そんなオニヒトデを、人の手で地道にひとつひとつ取り除いているのが現状だそうだ...
こいつを水槽に入れると、その動きの早いことには驚いた。
裏側には、タコの吸盤を小さくしたようなのが、これまた無数にあり、それを使ってひゅ~とあっという間に移動する。サンゴの上に覆いかぶさり、いざ食べん!という状態に。
この、硬そうでゴツゴツしたサンゴをどうやって食べるかといえば、オニヒトデの口は体の裏側真ん中にあり、そこからなんと胃袋を外側に出して、サンゴを包み込む。そして、そのまま消化してしまうのだそうだ。うへー。
胃袋を体外に出すとは...いやはや、世の中本当にいろんな生き物がいるものだ。
必死に生きるオニヒトデには申し訳ないが、君は完全に悪役だ。ゴキブリや蚊と同類で、我々には目障りな存在でしかない。貴重なサンゴを食べられては大変。
...と、いうわけで、オニが胃袋を出して食べる前に、さっさと水槽からサンゴを出した興さん。サンゴ君、ヒヤヒヤさせてごめん。
そして、お次に登場するは、今度はオニヒトデの天敵、ホラ貝様!
そう、あのボーーー!と低い音を出す笛となるあのホラ貝は、オニヒトデを食べるのだ。
食事目前のサンゴを持っていかれた直後に、天敵ホラ貝を入れられたオニヒトデ。天国から地獄へまっさかさま。
でも、万事周到に用意したお料理番組ではないから、ホラ貝も都合よくすぐにオニヒトデを食べてはくれない。
しばらく眺めて、やっと貝から手(足?)を出してくれたものの、食べる様子が無いので、講習会は別室に移動しで映像を見ながらお話を聞くことに。
その間、ホラ貝にはゆっくり攻めてもらいましょう。
映像体験ホールに移動して、興さんの撮影された写真やビデオを見ながら色々なお話を伺った。
以前、このブログでもご紹介したが、今年は大浜海岸沖でも結構クジラを見ることができたことや、奄美諸島で撮影された珍しい海の様子の数々。
その他、統計的な話まで色々なことを伺うことができた。
...さて。お話が終わり、水槽に戻ってみると、
うひゃー!食べてる食べてる!ホラ貝がオニヒトデを。
オニヒトデのサンゴの食べ方も、お話を聞くまで不思議だったが、ホラ貝のオニヒトデの食べ方もこりゃまたすごい。
あのトゲトゲの鬼っ子をどうやって?と思いきや、ホラ貝はなが~い口を出して、オニヒトデの唯一柔らかい口部分(=胃袋が出てくる柔らかい体の裏側真ん中)につっこみ、ちゅーちゅー中身を食べてしまうのだそうだ。
うぅ、これまた、口に口を突っ込み、体の中を食べつくすとは、ホラ貝もただの笛ではなかった。
←よ~く見てみたい方は、
クリック&拡大
(^^;;
貝殻を目当てに、人間がホラ貝をたくさん採ってしまったから、オニヒトデは天敵がいなくなり増えてしまった...
と、いう認識は、間違いだそうだ。
ホラ貝は、オニヒトデを食べるとはいっても、せいぜい1週間に1個程度。(調べてみると、ひとつ食べると1週間消化に時間がかかるということらしい)そんな程度では、とても現在のオニヒトデに対して対抗手段とはならないそうだ。
(だから、安心してホラ貝を採りましょう!ということではないけれど。)
いやぁ、珍しいものを見せていただいた。
たとえダイビングして、海の中にもぐったとしても、こんな透明の水槽ではないから、食べているのを裏側から見るということはまず不可能。このようなことが、海の中では繰り広げられているとは...
そんなわけで、サンゴはすぐに助けられたものの、悲しき鬼っ子は、ホラ貝の1週間分のお食事となったのだった...(;_;)
ああ、面白かった。やはり、このオニヒトデVSサンゴ、オニヒトデVSホラ貝を見られたのはすごい。
また、私はブログで拝見したので(ふふ、知ってる知ってる♪)と思ってみていたクジラの映像にも、会場の親子皆感嘆の声を上げていた。美しい海のサンゴの様子やクジラなど、奄美の海の素晴らしさを堪能できた。
それに、今奄美のサンゴ礁がどれだけピンチな状況に陥ってしまったかも...
興さん、貴重なお話&映像&実験をありがとうございました!
今回もとっても面白くてためになる講座でした^^
こちらから報告TB飛ばさなくてはいけなかったですね。すみません。
「自分の身に置き換えて...」うぐ。食べられる身になるのもイヤですが、この場合食べるホラ貝の役になるのもすごくイヤです(^^;;
ホラ貝がオニヒトデを食べる様の凄いこと。
自分の身に置き換えて想像して鳥肌たっちゃいました。
ナイスレポートありがとうございます。
さっそくトラックバックさせていただきました。
私もホラ貝といえば、やっぱりあの太い音色がまっさきに思い浮かびます。あれはただ貝殻を吹けばああいう音がするものなんでしょうかねー。(と、NorthWindさんにお尋ねしてもダメかしら)
ああ、そちらは本物のウニがおいしそう。
うらやましい... (すっかり話がそれてしまいました)
パンツ一丁です(笑 獲ってきましたよ。6mはあったと思います。船内が拍手で沸いたんです。だってみんな見ていたんですもの!!近況は解りません。今、古仁屋にあるグラスボートですよ。実久は想像を絶する珊瑚礁がありました。後に、お客様とシュノーケルする機会がありました。絶句したもんですよ。その方は喜んで、感激していましたがね・・・。復活。スケール(待つ)の問題ですが、100年経っても戻らないかもしれません。でも100年後は戻っていて欲しいです。人間はチキュウに生かされていることを
もっと自覚すべきですよね(笑 かっこつけようが、泣こうがわめこうが、そうなんですよね(笑
尤も珊瑚も近くに無い(と思う)ので、なかなか思い浮かびませんが、自然の連鎖は大切だということですね←上手い言葉が出ませんが(汗
ありゃ、グロテスクな戦いに、またもや熱が入ってしまいました?私。いえ、決して好きではないのですが。(誰もそう思ってくれないかも?!)
沖縄のサンゴの白化ほどの新たな白化現象は奄美には見らないようですが、そもそも98年の壊滅から戻らないところも多いみたいで...
今でも私などにとっては十分美しく見える奄美の海ですが、10数年前はどれほど素晴らしかったのでしょうね。
★ほーげっちゅさん★
最初に水槽に入れた時のホラ貝は、本当にやる気が感じられなかったのですが、時間を置いて帰ってきたときには、本当にびっくりしましたよー。
捕まえた後はよーく見られましたが、あの動きの早いオニヒトデをどうやって襲うのか、見てみたい気がしました。
今はすっかりバランスを失ってしまった亜熱帯の海ですね、悲しいことに。そのうち増えすぎて自然淘汰される対象が人間になってしまうのではないかと心配です。
★きさん★
グラスボートは実久まで行っていたのですか?
それに、グラスボートからもぐった人が?!
毎回きさんには面白いというかすごい情報を教えてもらいます...
いったい、その学生さんはどうやって海の中へ?
グラスボートに酸素ボンベ持参かとか、素もぐり?とか。どうやって船に戻ったのかも気になります。
そして、やはり何より、その方の近況が気になりますね(笑)
★tokorinさん★
ウニの味!
確かに興さんの昔の記事を見たら、ウニそっくりです。あのトゲトゲもウニっぽいですものね、そういえば。
生殖器にもやはり毒があるのでしょうか。
無ければ一大産業になるのにねぇ~
海辺のレストラン「FORTUNE」の、名物オニヒトデ。
とろける味の後、シビレます。なんて...
オニヒトデをホラ貝が食べるのは知ってましたが。
以前何かで読んだのですが、
オニヒトデはウニの味だとか。
毒があるので口に含んで味を確かめて吐き出したそうですが。火を通すと毒が無毒化されるそうなんで、「焼きオニヒトデ」と称して
お店で出すのは…やっぱりもしもがあるので危険ですね~。
海底はさながら竜宮でしたよ
要因はいろいろでしょうけど 全ての責任は
人間のせいでしょうね(笑 グラスボートから
サンゴの上のほら貝を潜って獲った学生がいました
彼は今頃どうしているのかなあ!?
集落の公民館で怪獣映画を見たのを思いだします。
オニヒトデが問題になり、海で初めて見たのは小学生の頃か?
非常識な足の数とトゲ、禍々しさはまさに怪獣。
正常な自然サイクルだと大発生後に自滅があり、バランスを保つらしいですが。
自然界の神の見えざる手も力を奪われてそうですね。
ハブvs.マングースショー レポート以来の興奮&迫真の実況中継でした。
実際に見たような気になりました。
弱肉強食の世界ですね。
沖縄でサンゴの白化現象が見られるとの報道がされていましたが,奄美のサンゴは大丈夫そうでしたか?