メディアではほとんど取り上げられなかったが、週明け16日に米国関連で発表された注目データのひとつに1月の対米証券投資があった。米国外の投資家の資金が米国に向けられているのか、あるいは出ているのかという米国を巡る資金の流出入の状況をみるデータである。先日、中国の全人代後の記者会見で温家宝首相が、米国債やドルの先行きに懸念を示すということがあったが、まさに中国の米国債の保有状況も、このデータの中に出て . . . 本文を読む
昨日、今回の4月の金融サミットの事前会合的なG20について、スクラム組んだような歳出(財政刺激策)の拡大合意による心理的な高揚と実質効果を狙う試みは失敗に終わり、「個別でやれることを其々やりましょう」という点で協調が成立というニュアンスだとし、市場にとっては期待外れにつき欧米市場の株価が見ものとした。果たして、この時間、金融株を中心に株価は上昇している。ヨーロッパは2%程度の上昇。元より金融の材料 . . . 本文を読む
ロンドン郊外で開かれていたG20財務相・中央銀行総裁会議。TVのニュースで米国が提唱したGDPの2%に相当する財政出動やその他金融規制などで意見が割れていると報じられていたので、これは急反発でホッと一息という雰囲気のNY株も週明けは荒れそうだと思っていた。ところが今朝自宅で国内2紙に目を通したが、いずれも回復に向けあらゆる行動を取るとか、協調で合意とか成果があったような見出しが前面に出ていた。新た . . . 本文を読む
中国の国会にあたる全国人民代表者会議(全人代)後の記者会見は、内外の記者が中国首脳に直接質問できる数少ない機会なんだそうな。「我々は巨額の資金を米国に貸しており、もちろん資産の安全性にも注意を払っている。はっきり言ってやや懸念している」という温家宝首相の発言は、記者の質問に答える形で飛び出したらしい。発言内容自体は先のヒラリー・クリントン訪中時に、外相間でも中国サイドから米国に保有するドル建て資産 . . . 本文を読む
昨日の日本時間の夕刻から夜半にかけて市場を駆け巡ったSNB(スイス国立銀行)による為替介入騒動。政策金利に関しては既に0.00%から1.00%とゾーン金利状態にあり、上限を0.25%引き下げ0.75%に。そして量的緩和策の採用も発表。ここまでは織り込んでいたが、スイスフランの売り介入は市場にはサプライズと伝えられている。
昨夜、このニュース(介入)が流れたとき思い出したのが、今年の1月下旬、正確 . . . 本文を読む
シティ・グループCEO(最高経営責任者)が社内文書で2009年入り後の1、2月は2007年第3四半期以来の黒字となったことを表明との報道がNY株高のきっかけとなった。失業率が8%を超え、雇用削減の発表も住宅市況の下落も続く環境の中で、この報道は確かにサプライズではある。ただし株価の急騰は、売り物薄のなかのショート・カバー(空売りの買い戻し)によるものゆえに持続性に疑問符がつく。本日くらいまでか?シ . . . 本文を読む
仏銀ソシエテ・ジェネラルの調べによると2月後半に掛けての3週間(2月6日~27日)で27トンのワシントン協定にかかわる公的売却が見られたとしている。2月中旬にロンドンにてまとまった売り物があると、ETFの売却という噂が上がっていたが、その後のETFの残高に変化はなく中銀の売りと見られていたのだが、それを裏付けるデータといえそうだ。
中央銀行による金の売却と貸し出しに制限を設けている同協定は、2次 . . . 本文を読む
さて本日から米国は夏時間に切り替わるので1時間ほど早くなる。既にNY株式は取引を開始している時間。ダウは100ドル安程度で始まりその後はプラスサイドに値を戻している。ウォーレン・バフェット翁が、CNBCで景気は崖から落ちていると語ったと。先週末の雇用統計とりわけ修正値で分かるように危機感はますます高まっているのでバフェッと翁ならずとも皆同じ見方を共有している。世界銀行も世界経済は第2次大戦後初めて . . . 本文を読む
先週もいろいろあったが、やはり焦点は米国の雇用統計だった。各種データにたとえ改善は見られなくとも「悪化の減速」が見られないかと目を凝らし息を凝らす市場だが、これでもか!という結果が続いている。今に思えばV字だ、U字だ、否L字だと回復の展開が議論されていた1年前は、結局危機の程度を軽く見ていた点は否めない。個々の悪化が途中から相互に反応し合い自ら悪化のスピードを上げてしまい、俄か作りの対応策という防 . . . 本文を読む
さてさて月初めのイベントが始まった。「Unprecedentedアンプリシデンティッド(前例のない)」という単語が頻発する欧米メディアについて書いたのは数ヵ月前だったが、いまも進行中だ。むしろその範囲が拡大そして内容が深化している。 BOE(イングランド銀行)は、市場の予想通り0.5%の利下げを決めた。昨年10月から6ヵ月連続の利下げで政策金利は、ついに0.5%に。すでにキング総裁が表明していたよ . . . 本文を読む