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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ゴールド以外もメタル総崩れ 

2021年06月18日 19時35分28秒 | 金市場
本日は、午前9時34分頃からラジオNIKKEIの市況番組「マーケットプレス」に52分まで電話生出演だった。ちょうどサプライズ気味のFOMC直後で足元で金が大きく売られているので、当然ながらその話に。参考までに巻末にURLを貼りましょう。

FOMC明けのNY金は反落となった。メディアでは通常取引(清算値)間の比較になるので、16日がプラスで終了していた関係で、前日比86.60ドル安の1774.80ドルで終了ということになった。1800ドルを割り込んだのは5月5日以来、約1カ月半ぶりのこと。1日の下げとしては昨年11月9日(93.70ドル安)以来の大幅なものとなった。当時は米ファイザーと独ビオンテック社による新型コロナワクチンの治験成功が伝えられ、経済正常化への期待が高まり、金市場ではファンドの売りが広がった。NY金はFOMCの結果発表を受けた16日のNY時間外で1812.60ドルで最終の取引を終えていたので、実質的には前日から38ドルほど水準を切り下げたということになる。

機会をとらえて書いたり話したりしてきたが、今回のFOMCを前に、金市場では量的緩和策の段階的縮小(テーパリング)の検討進展を警戒したファンドが、先行して売りを出し、水準を切り下げていた。つまり相応のロングの整理が進んでいた。そこに今回の利上げ前倒し観測が急浮上。200日線(1845ドル水準)を大きく割り込んだ。17日のNY時間外のアジアからロンドンの時間帯は1800ドル超を維持したが、NYの早朝に下回ると、ズルズルと水準を切り下げ100日線も抵抗なく下切った。昼前には1767.60ドルまで売られることになった。ロングの投げに加えて、短期狙いのモメンタム系のファンドが売り載せたのだろう。昨夜は1780ドル処が値ごろ的にいいところではとしたが、そのように捉えている。

17日は金以外にも銅など産業用メタルを含め全面安状態となった。貴金属でも銀が前日比1.956ドル安(6.7%)の25.856ドル。プラチナ86.70ドル安(7.4%)の1055.20ドル。パラジウムは324.60ドル安(12%)と軒並み大幅安だった。

FOMCでの2023年に2回の利上げ予想を受け、景気過熱やインフレを見込んだ取引(リフレトレード)を手仕舞いする動きが広がったこと。株式市場でも同じ傾向が見られ素材が売られた。さらに主要通貨に対しドルが大きく上昇。ドル指数(DXY)が一時92ポイントを超え、4月中旬以来2カ月ぶりの高値を付けたことも金をはじめ、コモディティ全般の売り要因となった。ドル指数は前日には約1%上昇し、2020年3月以降で最大の上げを記録していた。さらに16日に中国が、インフレ抑制の観点から商品価格の上昇を抑えるために銅やアルミニウム、亜鉛の国家備蓄を放出すると発表したことも、金以外の貴金属の売りにつながった。

目先のイベントを通過して、ここからは先行きの金融環境の織り込みが進む。それと同時に金市場という面では、米国の財政協議なども徐々に材料として意識する時間帯に入っていくと思う。この辺りが、プラチナなど他の貴金属にはないところ。以前から言うように、貴金属投資で王道行くなら「金(ゴールド)」。


ラジオNIKKEI マーケットプレス 前場 2021年6月18日
キャスターは岸田恵美子さん

2021/06/18/金 09:00-11:35 | マーケットプレス 前場 | ラジオNIKKEI第1 | radiko
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