1月25日のNY金は、前日比7.20ドル高の1942.60ドルで終了。イベントレスで派手さはないものの5営業日続伸となった。
主要な米経済指標の発表がない中で、引き続き昨年4月21日以来9カ月ぶりの高値の更新が続いた。大きな意味があるわけではないが、昨年の8月2日に到る5連騰以来のこと。心理的節目の1950ドルを前に高値警戒感からドルが強含んだタイミングでは売りが膨らむ一方で、押し目買い意欲も強く水準を切り上げている。
NYの早朝から午前中盤にかけて一時1920.60ドルまで売られ、この日の安値となった。ただし売りが一巡すると切り返し、終盤に向けて水準を切り上げ通常取引終了後の時間外取引では一時1949.50ドルを付け、1947.20ドルで終了ということに。
足元のNY金上昇継続の手掛かりはドル安。
特に金市場の場合、ドル指数(DXY)を見るが、結局25日は終値ベースで昨年4月22日以来の安値101.22で引けた。9か月ぶりの安値だが、やっと9カ月ぶり高値のNY金に追いついてきた。昨年4月追来の逆相関性の高さが続いている。
DXYの弱さは、そのままユーロドルの強さを意味する。
前の日の24日は米S&Pグローバルが、1月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値を発表。46.6となり、景気拡大と悪化の分かれ目となる50を7カ月連続で下回った。ただし2022年12月の確定値の45.0からは上昇し、3カ月ぶりの高い水準だった。目についたのは、細目の投入価格の指数が、2022年5月以降で初めて上昇したこと。賃金上昇圧力を反映したものとされる。インフレ関連指標が高止まりすることは、米国のリセッション(景気後退)入りが間近とみられるにもかかわらず、FRBの積極的な引き締め策が続くことを意味することへの懸念が企業サイドにあるとS&Pグローバルは指摘していた。それは言える。
DXYに話を戻すと、米PMIに関連して市場で注目されたのは、米国指標低迷の一方でユーロ圏の総合PMIが予想外に改善したこと。
1月の速報値は50.2と前月の49.3から上昇し、好不況の分かれ目となる50を昨年6月以来初めて上回った。個別では1月のドイツPMIデータでは、サービス業PMIが50.4と、昨年6月以来初めて50を超えた。
結果を受け、ユーロドルは上昇し24日に1.0886ドルと終値ベースで直近の高値を更新した。そして25日も続伸し1.0918ドルで戻り高値を更新。DXYを押し下げ、NY金の買い手掛かりとされた。
本日は米10-12月期実質GDP速報値の発表日。市場予想は前期比年率2.4%の伸びに対し、アトランタ連銀のGDP・Nowは1月20日時点で3.5%成長としている。